パンチパーマに限らずどんなパーマでも、パーマをかけるからハゲになるのではなく、ハゲになるような弱った髪の持ち主にパーマをかけるから、髪がもっとダメになってしまうのです。
これは似ているようでいて、一八〇度違います。
頭皮に赤茶けが発生していたり、抜け毛が増えている状態でのパーマかけは、さらに髪の毛を薄くするきっかけになります。
パーマがきっかけで薄くなるのではなく、薄くなってきたところでボリュームを出そうとパーマをかけると、脱毛、薄毛をさらに悪化させてしまう人が多いのです。
オールバックは意外に髪にやさしい
最近はこのオールバック人気がまた復活してきました。
オールバックは、髪の自然な流れにさからってムリにやるのは考えものです。
ひたいの毛の生えぎわが引っ張られ、強い刺激がかかってしまうからです。
常時刺激し続けていると、頭皮の活動がにぶり、毛を再生しなくなります。
おでこハゲへ一直線です。
ただ、毛の流れとして自然にオールバックになってしまう人はムリに七三分けや六四分けにするより、オールバックにしたほうが理想的です。
「髪に優しい』からです。
理論的に、オールバックは理にかなっています。
というのも、七三分けや六四分けで無理にいつも同じところから分けていると、その分け目から脱毛が広がるケースがあるからです。
髪の分け目がピシーッと一本通っていないと、気分が落ち着かないという方がいます。
筋が通っていないと気が済まないのは、かなりの律儀な性格とお思いかもしれませんが、これは、髪をいためる原因になってしまいます。
自分の髪の流れを知れば間違いなく髪は長持ちする
さて、どんなヘアスタイルであっても、基本的に、あなたの自然の髪の流れに沿っていれば、髪には問題ないのです。
ここでは、その、あなたの自然な髪の流れの見分け方をお教えしましょう。
やり方はいたって簡単です。
洗髪の後、タオルでザッとしずくだけを取るように軽く拭きます。
そして一、二分おいて、まだ髪が十分湿っている状態のときに、髪の流れを確認するのです。
ここで、一点注意ですが、洗髪の後、時間をおくときに、つい、いつものくせで髪をかき上げたり、なでつけたり、ということをしないでください。
あくまでも、髪の自然な流れに任せるようにしてください。
そうすれば、あなたの髪の流れは一目瞭然です。
その意味では、つむじの巻き方に従うことも大事なことです。
右巻きの人は右流れに、左巻きの人は左流れにしたうが、髪の流れは落ちつきますし、頭皮にとっても刺激のない髪型です。
白髪染めがよくない人、大丈夫な人
白髪にも、遺伝性のものと非遺伝性のものがあります。
そして白髪の場合は、遺伝性のものなら大歓迎、遺伝しないものはちょっと厄介…ということになります。
これは、ハゲの場合とは全く逆ですね。
ハゲの場合は、遺伝するものはいったんなってしまうと、治すのも困難になってきますが、遺伝しないものは手入れしだいでは元の黒髪に戻せる希望がある、というわけです。
遺伝する白髪の原因は、色素が問題ですから髪の弱さや薄毛とは関係ありません。
こういう方は髪の量もたっぷりあり、異常な抜け毛というのは発生しません。
白髪にはなっても、髪そのものの質は健康ですから、ハゲに移行する心配は全くないのです。
ですから、「白髪だとフケて見られる。それがイヤだからどうしても染めたい」という人以外はあまり毛染めをしません。
なぜなら白髪のほうがとてもチャーミングではありませんか。
でも遺伝しないタイプの白髪となると、これは困りものです。
手入れを怠ると、すぐハゲに連動しかねないからです。
というのも、このタイプの白髪は「瘀血(おけつ)型ハゲ」と同じく、頭皮への血液循環の不全に起因しているからです。
こういう方に安易に白髪染めを行なうと、かえって髪の毛をますます弱くしてしまいますから、あまりおすすめできません。
問題は皮脂です。
瘀血になって皮脂の少ない人が白髪染めをすると、頭皮に悪い影響が出ます。
皮脂というのは、ふつうの健康な人なら、頭を洗って二時間も経てば元に戻ります。
頭皮にうっすらと油膜が張るのです。
この皮脂はトシをとるに従って徐々に減っていきますが、皮脂が少なすぎると、髪の毛にとってはよくありません。
毛染めのときは、むしろ皮脂がたっぷりあったほうがいいのです。
皮脂が十分にれば、毛染め液が頭皮についてもはじいてしまいますが、皮脂の少ない人は頭皮をじかに染めてしまいます。
そして毛染めしたあとも、染料は皮脂とともに徐々に落ちていくものですが、皮脂がないと落ちにくいのです。
そこで結論としては、瘀血によって発生した白髪は、毛染めをしないほうがいいということです。
そうでなくても頭皮は、瘀血によっていためつけられ、紫外線によっていためつけられ、はさみ討ちに遭っています。
さらに毛染め液によって追い打ちをかけられたら、もう毛根はたまったものではありません。
もう一つ、肝臓が弱っているときに毛染めをすると、頭皮がかぶれることがありますから要注意です。
髪が危ない人にお勧めの髪型
「白髪が目立ち始めたから長髪にしたい」とおっしゃる方がいます。
これは逆です。
髪の毛を長くするほど白い毛が目立ってしまうのです。
白髪隠しならむしろ短く刈ったほうが目立ちません。
そういう方には、短髪をおすすめしています。
これは抜け毛の気になる人にも共通です。
そういう方にも短髪をおすすめしています。
長い毛が抜けると、ショックが強いのです。
神経質な人がこういう長い抜け毛を見ると、「うわッ!また抜けてしった!」と、驚いてしまいます。
一本の抜け毛が三本に感じられてしまうからです。
その点、短い髪にしておけば、抜け毛もまた短いですから、抜けてもショックは少ないものです。
ただ、髪の毛の手入れまでやめてしまう人がいますが、これも間違いです。
これは男を捨てたも同じこと。
そういう人はどんどん若さを失い、人生の張りをも失っていきます。
おシャレ心は、男を若くします。
いくつになってもおシャレ心は失いたくないものです。
髪の毛に対するこだわりは、男何歳になっても持ち続けましょう。
春先は気候が不順です。暖かい日もあれば、寒い日もあります。
そんなとき、唇を紫にし、ガチガチ歯をふるわせているダンディ中年男さんがいます。
あるいは初冬の日々、もうかなり冷え込みがあるのに薄着でがんばっている……。
こういう方々は、もう立派なハゲ予備軍です。
からだを冷やすということが、どれほど髪の毛の健康にとってはよくないことか。
からだの冷えは、髪の毛の大敵です。
そういう冷え症の人に限って、ひたいの毛の生えぎわ、それも左右の両端が、ソリ込みを入れたようにハゲ上がってくるのです。
ハゲとまでは言わなくても、毛が薄くなってきます。
まさに天然のソリ込みです。
頭皮が青白い人なら、まだ余裕があります。
でも天然ソリ込みが入ってさらに頭皮まで赤茶けてきたら、あとは、ハゲまでアッという間です。
ダンディ中年の薄着とハゲの、どちらか二者択一と言われたら、あなたはどちらを選びます?
急に薄くなったのはダイエットのせいだった
ダイエットで髪を悪くする人が多いようです。
頭のてっぺんが急に薄くなった人に、食事制限のダイエット中で、現在7キロ減量に成功している人がいました。
そのほかにも薄毛の原因があるかもしれないと考え、いろいろ質問をしてみましたが、急激な抜け毛の原因はダイエット以外ほかに見当たりません。
一ヵ月後、その方はとうとう円形脱毛症になってしまいました。一
一般的な円形脱毛症の毛を顕微鏡で見ると、根元がシッポのついた枯れ木のような状態になっています。
そして、うつ病的な脱毛の場合には、ハサミでパチッと切り落としたような根元になっています。
前述の方の場合は、このケースでした。
きっと、ダイエットに大きなストレスを感じ、それがうつ的な状態にまで進行していることがうかがえます。
そして三ヵ月後―。
その方はダイエットをやめてしまいました。
10キロ近くやせていた体重はたちまち元に戻ってしまいましたが、髪の毛の円形脱毛症は元に戻っていません。
効果的なマッサージを始めるなどして回復してもらいたいものです。
ストレス性のハゲは、開き直って解消すること
ストレスは髪の毛の大敵です。
つまり神経性のものです。
その意味では、神経の細い人ほどハゲ、円形脱毛症などになりやすい、とも言えるわけです。
でも、「ああ、私は生まれつき神経質な性格だから、もうダメだ」などと悲観しないでください。
人間もトシをとるにしたがって、足も腰も、内臓も、あらゆるところが弱ってきます。
そして髪の毛が薄くなったり、抜け毛が増えたりします。白髪も出てきて当たり前と思わなければなりません。
それを、「あ、また一本抜けた!」「どうも白髪が増えている!」「頭のてっぺんが薄くなったゾ」などといちいち考えていると、ストレスはかえって増幅してしまいます。
そう。
クヨクヨしても始まりません。
「誰だって、トシをとれば髪の毛は薄くなるもの」と開き直ることです。
「髪の毛がしぼんでいる」状態はハゲの原因に
睡眠不足は、髪の毛の健康ともろに直結しています。
職業柄、夜働かなければならない人とか、好んで宵っぱりの生活をしている人たちは、テキメンに髪の毛が痛んでいます。
たとえば夜勤明けとか徹夜マージャン明けの人の髪の毛は、ピンとしていません。
つまり髪の毛に張りがないのです。
そのため毛の先端が垂れぎみです。
勢いがなくベターッとしているというのか、髪の毛がしぼんでいるのです。
不摂生な生活によって発生する「瘀血(おけつ)型ハゲ」の典型的な症状が多い人のタイプと言えます。
食べものの好き嫌いで髪をダメにしてしまった例
本当に髪の毛とアルコールが関係あるかと言ったら、それはなんとも言えません。
ただ、からだのためを考えれば、お酒をたくさん飲む人より、飲まないか、飲んでも少量で済ませられる人のほうがいいに決まっています。
肝臓病だって、お酒を飲まない人は肝臓病にならないといったらそんなことはありません。
ビール一本でその日一日の憂さを晴らせるのなら、大いに飲むべきでしょう。
正しい酒の飲み方なら、やめることはありません。
そのためにうつ状態になってしまうのでしたら、逆効果以外のなにものでもありません。
食べ物も同じです。多くの健康本では、「あれもダメ、これもダメ」という禁じ手の多いものが流行しているようですが、私としてはやはり、食べたいものを食べ、飲みたいものを飲むこの自然体こそ大事です。
すべて”とりすぎ”に気をつけて自然に生活し、自然に量の調整をしていくのが理想だと思います。
秋口になるとわかる、やっぱり帽子は髪に悪い
頭髪にもっとも大きな変化があらわれるのが秋ロです。
すなわち、髪の毛の弱り、ハゲの前兆となる薄毛、髪の毛の質の変化……などがもっと顕著になるのが秋口。
そのことに気付かされるのは、多くが夏場の間中、ヘルメットや帽子で頭部をきっちりと締めつけられている職業の人たち。
髪の弱りは、ヘルメットや帽子にある……とも言えそうです。
いつも帽子をかぶっていないといけない人たちがいます。
電車の駅員さんたち、プロ野球の選手たち、ハンバーガーショップの店員さん……。
オートバイの速配屋さんや、ビルの建築現場で作業する人々は、安全のためヘルメット着用が義務づけられています。
へルメットや帽子着用は、髪の毛に大いに影響します。
なぜかといえば、頭髪が何十℃という暑さによって蒸されるからです。
汗と脂で頭皮も髪の毛もベタベタです。
外気温が33.8℃のとき、麦わら帽子の中は40.3℃、黒の学生帽は47.4℃にもなるというデータがあります。
熱いお風呂が42~44℃ですから、帽子の下は蒸し風呂と同じような状態になっていると思われます。
帽子をきっちりかぶった場合、気温25℃以上で脱毛の影響がみられ、38℃以上で脱毛数が増加するという実験結果も出ています。
徳島医大の武田克之先生は、「頭皮には脂腺から出た脂肪酸が残っており、その脂肪酸やフケが毛穴にたまっているところを蒸されると、頭皮に住む細菌の繁殖に理想的な環境になる。その細菌群によって毛穴がふさがれてしまうのが困りもの」と指摘されています。
この帽子をよくかぶる人は、瘀血(おけつ)になる率が高いといえるでしょう。
根本的には帽子やヘルメットとは直接関係ないと思いますが、なにかほかの理由で瘀血体質になった人の場合、その瘀血状態の進行を早めてしまうという点で、大きな影響力を持っています。
それから帽子でもきつめのものをムリしてかぶっていると、おでこの一番肝心なところを締めてしまいます。
頭頂部の周囲をきつく締めてしまうと、それだけで血管を圧迫し、血流を阻害してしまうことになります。
こうしたヘルメットや帽子着用によって起こる脱毛を、機械的脱毛と呼んでいます。
日本髪やポニーテールなどで、絶えず頭髪が引っ張られているときにも起こります。
警察官など、いつも帽子をかぶっている職業の男性にハゲが目立つのは、これが原因になるか、または促進させているのかもしれません。
側頭部の髪が伸びきらずに切れてしまうとき
日常、緑黄色野菜が不足している、つまりビタミン不足の人がいます。
仔細に点検してみて頭頂部に異常はないか、側頭部の毛がブッブッと断ち切れていないか観察してみましょう。
これは、下から生えてきた髪の毛が、十分に伸び切らないうちにブッッと切れてしまい、その切り口がギザギザになっている状態です。
これだと深刻です。
「栄養状態が悪くなると、神経系統のホルモン分泌の働きが悪くなる」ということは、十分にあり得ます。
側頭部の毛切れが、もしホルモン分泌の異常によるものだとしたら、診療してもらう必要があります。
側頭部の髪の毛が伸びきらずに途中で切れてしまう、という症状の方たちも、ホルモンバランスの乱れが原因ではないかと思われます。
髪、地肌を見れば内臓の調子までわかる
髪の毛は、「腎の華」とも呼ばれるように、私たちの内臓ととても深いつながりがあるのです。
胃腸や肝臓、そして腎臓などに不調を抱えている人は、必ず頭皮が酸欠を起こし赤っぽくなっているものです。
ときどき鏡を使って、自分の頭皮がどうなっているか、チェックすると健康管理につながります。