◎あなたはこんな育毛法を信じていますか?

◎あなたはこんな育毛法を信じていますか?
●ワカメやヒジキなど、海藻類を多く食べると髪の毛が生える
育毛には数々の迷信があります。
それだけ育毛を願う人たちが多く、育毛願望が強いことを意味しています。
そのひとつに、ワカメやヒジキなどの海藻類を食べると育毛するというものがあります。
育毛のために海藻類を一生懸命に食べている人に、ちょっと怖い話を紹介します。
北海道は日本有数のコンブ産地です。
その沿岸のコンブ産地では甲状腺腫になる人が多かったのですが、その理由がヨウ素の過剰摂取だったのです。
ワカメやヒジキに限らず、海藻類に特徴的な成分は食物繊維とミネラルであるヨウ素(ヨード)です。
1日に0.1ミリグラムを摂取すればヨウ素欠乏症にならないのに、そのコンブ産地の人々は、1日に50~80ミリグラムも摂取していたのです。
ヨウ素は甲状腺ホルモン (トリヨードチロニンとチロキシン)をつくる材料になりますから、不足すると甲状腺腫という病気になります。
これは甲状腺ホルモンの分泌が少なくなる病気ですが、不思議なことに、ヨウ素の過剰摂取でも同じ病気になるのです。
甲状腺腫になった患者さんにコンブの摂取を制限する食事指導をしたところ、多くの人の症状が軽くなっています。
ヨウ素は、日本人の通常の食事をしていればまず不足することはありません。
逆に、私たち日本人はヨウ素の過剰摂取を心配しなければならないのです。
さらに、ヨウ素が不足すると髪のツヤは悪くなりますが、ヨウ素を大量に摂ることで育毛が促進されたという実例はありません。
食物繊維には大腸ガンの予防効果がありますが、育毛効果の報告はありません。
これだけで海藻類神話は崩れてしまいますが、もうひとつ決定的な理由があります。
髪の毛の主成分はケラチンというタンパク質で、18種類のアミノ酸から構成されています。
しかし、海藻類には、タンパク質のもとになるアミノ酸の含有量がきわめて少ないことがわかっています。
しかも、髪の毛に特別に多く、髪の毛になくてはならないシスチンというアミノ酸が非常に少ないのです。
では、どこから海藻類神話が出たのでしょうか?
海藻類は海底にしっかりと根を張り、密生してユラユラと揺れています。
色も黒々としていますし、その様子は豊かな黒髪を連想させます。
こうしたことが海藻類神話になったのではないかと考えられます。
海藻類神話を信じている方は、自分が1日にどれくらいのヨウ素を摂取しているか、計算してみることをぜひお勧めします。
ちなみに、コンブ15グラムには 20ミリグラムのヨウ素が含まれています。
海草を食べずにコンブのだし汁だけでも、1日に0.5~0.9ミリグラムのヨウ素を摂っている計算になります。

●頭皮を叩くと血行がよくなり、育毛がうながされる
過去に、育毛剤のテレビCMに「つけて叩く」というものがありました。
いまでも育毛剤をつけたあと、ブラシのようなもので頭皮を刺激している人がいます。
ブラシで頭を叩くことには、頭皮の刺激と、それによる血行促進の期待があるようです。
そのときは血液循環を促進する多少の効果があるかもしれませんが、一過性のものにすぎません。
血液循環は、身体全体から考える必要があります。
頭皮の毛細血管の血液循環が悪くなるのは、ストレス、脂っこい食べ物、タバコ、過度のアルコール、睡眠不足などが主原因ですから、これらのリスクファクターの解消を
心がけることです。
頭への刺激で血行がよくなるという証拠に、頭皮が赤くなることを挙げる人がいます。
しかし、これはとんでもない誤解で、頭皮が赤くなったということは充血を証明しているだけです。
充血とは血液の停滞で、頭皮にとっては逆効果なのです。
さらに、頭皮を叩くと、頭皮の一番外側の層である角質層が固くなります。
角質層が固くなると血行がさらに悪くなるばかりか、ブラシで頭皮を傷つけることさえあります。
もう少し時間をさかのぼると、華道で使うケンザンのようなもので頭皮を傷つける恐ろしい育毛法もありました。
これはとうてい育毛法といったものではなく、頭皮と頭の組織を破壊する恐ろしい発想です。
頭皮はそれほど厚いものではありませんから、毛根や毛母細胞のある皮膚組織を破壊してしまう重大な危険があります。
こうなると二度と発毛が期待できなくなるばかりか、傷口から侵入した細菌が炎症を起こしたり、より深刻な問題を引き起こしたりしかねません。

●ドライアイスを使うと、刺激で育毛が促進される!
育毛神話には、ドライアイスの使用もあります。
ドライアイスが育毛によいという話がどこから出たかを推測すると、皮膚科でおこなわれる細菌性脱毛症の治療にあるようです。
細菌性脱毛症で皮膚科にかかると、「局部麻酔をその部位に打つ」「生理的食塩水を何回も打つ」「紫外線や赤外線を照射する」「医薬品の発毛剤の注射」「副腎皮質合成ホルモン剤(ステロイド剤)を注射する」などの治療のほかに、「ドライアイスで脱毛部分を刺激する」という治療があるのです。
ドライアイスは、マイナス20度もの超低温です。
その超低温のドライアイスを何秒か脱毛した部位に当てて刺激治療するのですが、たまらなく痛いものです。
これは当然です。
ドライアイスを頭皮に当てると、頭皮には凍傷が起こります。
刺激を与えると発毛するというのは、発想が単純すぎます。
凍傷が起きた部分の頭皮、あるいは皮下組織にある毛乳頭や毛母細胞などにいい影響があるとは考えられません。
ドライアイスはエステサロンでも使われています。
しかし、エステサロンでドライアイスを使う目的は、脱毛です。
足などの無駄毛を永久脱毛するために使われているのです。
つまり、ドライアイスによって毛乳頭を凍傷させ、再び毛が生えてこないようにするわけです。
この利用方法を考えると、ドライアイズが発毛に効果があるという考えには否定的にならざるをえません。
いまドライアイスを使って発毛や育毛を試みている方があるとすれば、すぐに止められることをお勧めします。

◎育毛剤の育毛効果は期待できるのか?…
●育毛剤の主成分は、ほとんどが血行をよくする成分
髪が薄くなったり、抜け毛が増えて頭皮が透けて見えたりするようになると、誰でも気になります。
気にしないようにしようと思っていても、雑誌や新聞の「育毛」とか「発毛」といった言葉がなぜか目につくようにもなります。
そこで、まず手に取るのが育毛剤です。
製薬会社や化粧品会社からは育毛剤や発毛剤が発売され、明日にでも毛が生えてくると錯覚させるようなCMもオンエアされています。
話題になった育毛剤・発毛剤にはいろいろあります。
いま育毛剤を使っておられる方にお聞きしますが、あなたの周りで、そのおかげで毛が生えたという話を聞くでしょうか?
育毛剤には、期待したほどの効果がない……。
これが育毛剤の一般的な評価だと思われます。
では、市販されている育毛剤にはどんな成分が使われているのでしょうか。
現在、発売されている育毛剤の主な成分は次の7つになります。

①血行を促進する成分……セファランチン、ニコチン酸、塩化カルプロニウム、トウガラシチンキ、ビタミンE(酢酸トコフェノール)、ミノキシジル、ニンニクエキス、セン
ブリエキス、タンジン、センキュウ、サンショウ、オウギ、カンキョウ、コウカ、トウキなどで、ほとんどの育毛剤に配合されている。
②男性ホルモンの活動を抑える成分……安息香酸エストラジオール、スピロノラクトン、オキセンドロン、ジエチルスチルベストロールなど
③皮脂を抑えたり、除去を促進したりする成分……オドリコ草、カシュウなど
④毛母細胞・毛根細胞などを活性化する成分……パントテン酸カルシウム、ペンタデカン酸グリセリド、ニコチン酸アミド、ミノキシジル、チクセツニンジンなど
⑤殺菌作用のある成分…ヒノキチオール、イソプロピルメチルフェノールなど
⑥保湿効果のある成分..…アロエエキス、プラセンタエキス、トレハロース、メイグイフなど
⑦その他の成分…新陳代謝を活発にする、フケを防止する、頭皮のかゆみを止める、栄養を補給する、皮膚を強化するなどの目的で種々の成分が配合されている

育毛剤や養毛剤の主成分は、血管を拡張して血行をよくする成分と考えてまず間違いありません。
そこに毛母細胞を活性化する成分と殺菌剤と香料、わずかな栄養成分が含まれている程度なのです。
ですから、これらは育毛のための頭皮環境を整えると考えるべきなのです。
発毛剤とは思わずに、これに頼らないことです。

「一流の製薬会社が製造しているから安全」とか「テレビで効果を大宣伝しているし、店頭にも並べられているから安心」とはいえないようです。
消費者は賢くなり、育毛剤の配合成分や副作用、それに安全性に真剣に目を向ける必要があります。

○育毛サロンのオーバーな宣伝に迷ってはいけない
●「発毛」「診断」「治療」などは広告禁止用語
製薬会社や化粧品会社が販売する育毛剤や発毛剤以外にも、髪の毛を生やしたり増やしたりするいろいろな方法があります。
近頃は、独自の育毛理論や技術を売り物にする育毛サロンが続々と登場しています。
東京都生活文化局は、消費生活総合センターなどに寄せられた相談情報をもとに、育毛・増毛サービスの事業者を「東京都消費生活条例」などに基づいて調査し、違反事業者に改善指導をおこなってきました。
このとき問題になったのが誇大広告と、「いつでも解約できる」「確実に生える」という虚偽・断定的な説明、さらに「このままでは全部抜ける」とか「非常に深刻な事態」といった消費者の心理的不安につけこむ勧誘宣伝なのです。
もうひとつ、期待した効果がなかった人からの中途解約に応じないことも、「消費者保護のための問題」としてクローズアップされました。
そうした前例があるにもかかわらず、育毛サロンの新聞や雑誌の宣伝を見ると、「発毛」「診断」「治療」などの医学用語が躍っています。
「医師と共同開発した育毛プログラム」というところもあります。
こうした医学用語や、医師との共同開発プログラム、といった言葉が宣伝に使われると、さも科学的で医学的な育毛がおこなわれているような錯覚を持ちがちです。
しかし、新聞やテレビなどのメディアでは、宣伝に「発毛」「診断」「治療」といった表現を使うことは禁止されています。
サロン側はそのことは承知しているはずですから、明らかに職業倫理に反する行為です。
新聞やテレビに比べると、チラシは法の規制が比較的ゆるやかです。
そこで、サロンのなかには、チラシで「ぐんぐん生える」とか「絶対治る」、あるいは「絶対生える」といった言葉を使うところが少なくありませんが、これも禁止表現です。
もう少し微妙な表現を使うところもあります。
たとえば、「発毛率98%」とか「発毛保障」、あるいは「髪が生えなければ施術費用の全額返還」などを謳うケースです。
「発毛率0%」という数字はどういう数字かわかりませんし、「発毛保障」の内容も不明です。
「髪が生えなければ……」という場合の「髪」とは、どういう状態を指すのでしょう。
新聞や雑誌にしても、チラシにしても、言葉のマジックにだまされてはいけません。
昔から、「甘い言葉にはワナがある」といいます。
産毛でも発毛には違いありませんし、期待したような成果がなくても、「発毛には人差がある」とか「私たちのアドバイスきちんと守りましたか」といった逃げ道が用意されているものです。

●育毛サロンの育毛法にはこんな疑問がある
過剰と表現せずにはいられない言葉で、育毛サロンはお客を呼び込もうとします。
では、多くの育毛サロンでは、どんなスタッフが育毛を手がけていると思われるでしょうか?
現在、育毛サロンでの理・美容所の開設届けは、法律的には美容エステと同じく扱われています。
ということは、そこで育毛に当たるスタッフは、理・美容師の国家資格免許を持っていなくてもよいということなのです。
理髪店や美容室で働く理・美容師は、国家資格の免許取得が義務づけられています。
しかし、育毛サロンで育毛に従事するスタッフには、国家資格の免許がなくてもよいのです。
こうした育毛サロンでおこなわれている育毛ですから、育毛に関する理解も信頼の置けるものではありません。
その最たるものは、頭皮の皮脂についての無知と誤解です。
頭皮の皮脂は、角質とともに皮膚を保護している非常に大切なものです。
必要以上に皮脂を取り除くと角質や皮膚の組織に大きなダメージを与えるほか、かゆみや湿疹、炎症といったトラブルが引き起こされる可能性もあります。
しかし、皮脂=悪者論に凝り固まった育毛サロンでは、大切な皮脂を機械で無理やり取り除いたり、強アルカリやアルコールなどを使って除去したりしています。
これでは頭皮と髪にダメージを与え、育毛どころではなくなります。
育毛サロンのなかには、「特許クリームで毛穴に詰まった脂汚れを取り除き、発毛をうながす」というサロンもあります。
一見すると、よさそうな感じを受ける人も多いでしょう。
特許クリームにまず疑問がありますが、その疑問をさておくとして、特許クリームで毛穴に詰まった脂汚れをどこまで取り除けるのでしょうか?
頭皮はわずか0.1ミリほどの厚さしかないといっても、毛根はそれより深いところにあります。
仮に特許クリームにそれなりの効果があり、そしてそこまでクリームが届いたとして、脂汚れを含んだクリームはどうやって毛穴から出すのでしょう。
シャンプーで洗い流せるとはとうてい思えません。
また、「神経細胞を再生させて発毛させる」という理論を掲げている理容室もあります。
発毛や育毛は、毛母細胞の分裂の結果です。
神経細胞の再生と発毛が関連しているという理論を聞いたことがありません。
「いままで何をやってもダメだった方でも発毛を期待できます」と語っていますが、こんな理論のところで発毛が期待できるのでしょうか?
オゾン化イオン水によるスチームを使う育毛法もおこなわれているようです。
スチーミングで毛穴を開き、汚れと皮脂を取り除いて育毛をうながすことになっているようです。
オゾンに殺菌作用はあるものの、オゾンと育毛との関係はまだ立証されていません。
さらに、オゾンの強い酸化力は皮膚にダメージを与えるほか、その影響で過酸化脂質が形成され、血流を阻害する恐れも考えられます。
スチームで毛穴が広がっても、それは頭皮表面だけの話です。
どんなに頭皮の表面を温めても、育毛で大切な毛母細胞のある真皮のあたりは開くものではありません。
そこに詰まっている汚れを取り除くことはそう簡単ではないのです。
高濃度酸素水も同じことです。
高濃度酸素水は、皮膚の活性になんら関与していません。
皮膚からの酸素吸収は1%くらいといわれ、毛母細胞が必要とする酸素と栄養は毛細血管から供給されるものなのです。
育毛サロンの多くは、間違った毛髪知識を基礎に置いています。
そうした育毛サロンでおこなわれる育毛ケアに、あなたは信頼を置けるでしょうか?

◎次々と指摘される大手育毛サロンでの危ない育毛
「高額なのに効果がない」といわれたA社
これまで、育毛サロンでの育毛法の実態にはほとんど光が当てられませんでした。
カツラ・育毛サロン業界の最大手は、A社です。
A社の施術は、クレンジング液を塗った頭皮に、高温度のスチーマーをかけ、高水圧の洗浄機で洗い流すものです。
「これを1年程度つづければ、誰でも頭皮が健康になり、抜け毛が減る」とA社はいいますが、そうなのでしょうか?
皮脂には大切な役割があり、皮脂の取りすぎはいろいろな問題を生じます。
もうひとつ、使われている育毛剤の問題もあります。
A社では1種類の育毛剤が用意されているということですが、なかに安息香酸エストラジオールという成分を含んだ育毛剤があるといいます。
安息香酸エストラジオールは、男性ホルモンの活動を抑える成分ですが、正体は女性ステロイドホルモンです。
ステロイドホルモン剤の副作用は、アトピー性皮膚炎の治療などでよく知られています。
そのためステロイド剤を使いたくないという人が少なくないのですが、ステロイドホルモン剤に対する感受性は人によって個人差があります。
人によってはホルモンバランスを前し、男性の女性化や、肝機能障害を招く恐れがあります。
使用には、あくまでも個人の感受性を考慮に入れた慎重さが要求されるのです。

「タンパク質溶解剤の危険」を指摘されたB社
カツラ・育毛業界のもう一方の旗頭が、B社です。
「同社では、頭皮の皮脂を溶かすために、エステサロンなどで顔の皮膚を薄くする「ケミカルピーリング」に使われるタンパク質溶解剤を用いているとい
います。
エステサロンではただれや化学やけどの被害報告が絶えませんでしたが、その原因が高濃度のケミカルピーリングにあったことをご存じでしょうか?
確かに、ピーリング剤は角質を溶かします。
その作用で皮膚がスベスベになるのですが、これが毛根によい結果を与えるとは思えません。
効果を得ようとするのですから、ある程度の濃度が必要です。
しかし有効な濃度で使えば、毛根がダメージを受けることは否定できません。
ほかにも、育毛剤を浸透させるために頭皮に微弱電流を流したり、高温のスチーマーをかけたりする方法。
さまざまな方法で頭皮に刺激を与えますが、それらも、本当に良いものかどうか疑問です。
熱や電気を加えることは、血流を活性化させ、細胞を活性化させることもありますが、炎症があると、炎症を促進させ、頭皮の状態を悪化させるからです

「発毛確率96.8%」の陰に未承認薬」のC社
テレビCMなどで、C社は、発毛を売り物にしています。
しかし、基本的な育毛法はエステサロンの機材を流用したものだそうで、「非常に高額であることを除くと、他のサロンと変わることがない」といいます。
同社が発毛を前面に押し出す理由は、効果も見込めるかわりに、危険性も高い未承認薬を使っていることがあります。
使用されているのは、ミノキシジルの高濃度液(2%以上)と、フィナステリドという抗男性ホルモンです。
じつはこの2つとも安全性に問題があり、日本では使用が承認されていません。(https://www.jslm.org/others/news/20181108.pdf)
手に入れようとすると個人輸入するか、医師に保険適用外の薬物として処方してもらうしかないのです。
同社は、まずはじめに数万円以上もする基本施術の契約をさせ、それで効果がないとわかると、危険ではあるが安価な未承認薬を医師経由で処方します。
これでは、看板に偽りありと言わざるを得ません。
企業と医療クリニックが密接に癒着して、未承認薬の投与をはじめとする営利行為を行うのは、医事法違反の可能性が高いといえます。
未承認薬と聞いただけで胸騒ぎがしますし、確かにこれでは育毛サロンに通っているのか、医療行為を受けているかの線引きが曖昧になります。
いざ薬害が起こった時、消費者はどのように対応していいのかわからなくなります。
サロン側はあくまで「医師には紹介しただけ」と主張するでしょう。
そうなると、消費者は医師相手に医療裁判を起こさなければならなくなりますが、これは非常に難しいトラブルです。

◎植毛やカツラの利用は心配ないか?
増毛法のなかで、植毛は最も危険な方法と知ろう
最近は、育毛ではなく、植毛をおこなう人も増えているようです。
植毛は、頭皮に人工毛を1本1本植えていく方法で、ウイッグより自然に見える、抜けにくいなどの理由から選ぶ人が多いようですが、じつは増毛法のなかで植毛がいちばん危
険なのです。
東京都生活文化局の調査データでは、育毛は若い男性に多い特徴があるのに対し、人工的な植毛の顧客層は幅広いものになっています。
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/chiiki_tabunka/chiiki_katsudo/chiikiryoku/files/0000001000/shiryou_05.pdf
つまり高齢者の男性も女性も植毛をおこなっていて、1万~1万2000本の植毛で50~70万円が相場になっていました。
人工的な植毛法は麻酔を使用した手術で、医師の手を必要とします。
医師がおこなうのだから安全というわけではありません。
人工の毛を植えつけるのは頭皮だということです。
主に使われている人工毛の材料は、外科手術で人工血管などに用いられているもので、生体との相性がよく、人体に無害で、耐水性、耐熱性、耐薬性にすぐれた素材といわれています。
しかし、人工的につくられたものであることは間違いありません。
人間の身体には、体内に入り込もうとする異物を排除しようとするシステムが備わっています。
それが免疫反応です。
たとえば、心臓や腎臓、肝臓の移植手術をした場合でも、人工臓器を移植した場合でも、この免疫反応が発症するのです。
レシピエント(移植を受けた側)の免疫が、あたらしい臓器を異物と認識すれば攻撃するからです。
頭皮も同じです。
人工毛は異物に違いありませんから、免疫の攻撃でそこが炎症を起こして化膿してしまう危険性があるのです。
また植毛したところから雑菌が入り、周囲の正常な髪の毛根まで傷めてしまうケースもあります。
植毛した毛の先端は加工され、頭皮の奥深くに埋め込まれています。
こうしたトラブルが起きたからといって、簡単に抜くことはできません。
無理して引き抜こうとすると根元から切れ、先端はそのまま頭皮のなかに埋まったままになってしまいます。
個人差はありますが、植毛される本数は1000~5000本です。
もしメスなどで先端を取り除こうとすれば頭皮はズタズタになり、髪をつくる毛乳頭の組織は壊滅的な被害をこうむります。
植毛で起きるトラブルはさまざまですが、いずれも深刻な問題になっています。
毛根さえあれば、適切なケアで髪は生えてくる可能性はありますが、植毛手術を受けてからでは取り返しがつかないことになりかねません。
一刻も早い法制化が望まれます。

●ウイッグ (カツラ)はムレと内側の不潔さが抜け毛を促す
植毛は、育毛をあきらめた人のひとつの選択肢です。
育毛をあきらめた人に、もうひとつの選択肢があります。
ウィッグ(カツラ)です。
新しい素材の登場と製作技術の格段の進歩で、現在は地毛と見分けがつかない優秀なものも出回っています。
手っ取り早い手段として根強い人気があるようですが、問題は通気性です。
ウイッグは、頭皮に密着するようにつくられます。
そのため汗腺をふさいで頭皮環境を悪化させ、髪の毛にダメージを与えます。
このダメージが脱毛をますます悪化させることはまず間違いありません。
ムレ対策として中央部をネットに変えた製品も出ましたが、期待するほどの効果はないようです。
もっと危険なことは、ウイッグの裏側が細菌の巣窟になることです。
ウイッグを毎日洗うひとはまずいません。
洗うとして月に1~2度くらいと思われますが、その程度の洗浄で使用しつづけるとどうなるでしょう。
ウイッグの裏柄には、汗腺や毛穴からの分泌物や皮脂が付着しています。
細菌のえさになる皮脂がべっとりと付着し、しかもつねに体温で温めています。
適度な湿気もあります。
細菌にとって、これほど繁殖に適した環境はありません。
いくら洗髪しても、ウイッグをつけるたびに、頭皮はそうした分泌物や皮脂に触れることになります。
細菌が繁殖すると頭皮にかゆみを感じますから、針のようなとがったもので突っついたり、引っかいたりすることになります。
これは皮膚を傷つけるだけでなく、そこから細菌が侵入して炎症を起こす原因になります。
カツラメーカーでは、裏の素材に殺菌・抗菌処理をほどこさないのが普通です。
したがって、細菌の繁殖を防ぐには洗浄するしか方法がないわけですが、ウイッグが傷むことを心配してあまり洗わない人が多いようです。
細菌が増殖したウイッグを装着することは、脱毛を悪化させる大きな原因になります。
安易にウイッグに走るのは感心しません。
それより生活習慣を変え、育毛に取り組むことをお勧めします。
やむをえずウイッグを使うのであれば衛生に十分留意し、ウイッグを使用した後は必ず内側を濡れたタオルを絞って拭いて、その後、真菌類などの殺菌や消臭処理をすることが必要です。
そして、装着は昼間だけにし、夜はかならず外して頭皮を休ませるようにしてください。
極薄のフィルム状ベースに植毛したものを頭皮に強力に貼りつける方法は、二度と発毛を期待することはできないとお考えたほうがよいでしょう。

この記事を書いた人
狭山清美

毛髪診断士、管理栄養士、フードコーディネーター
1984年生まれ。さいたま市出身。2児の母。
大妻女子大学管理栄養士専攻コースを卒業後、管理栄養士資格を取得。
健康食といわれる和食の利点を活かしつつ毛髪効果のある「和料理」を提唱する。趣味はマンガ(ワンピース)。

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