○おしゃれのつもりが抜け毛の原因をつくっていた!
●ヘアカラーは毛根や毛髪を痛め、抜け毛を早める
髪の毛は、大きなおしゃれの要素です。
女性や若い男性はヘアスタイルを非常に気にしますし、カラーリングはファッションというか当たり前のおしゃれになっています。
しかし、安易なカラーリングはを傷める大きな要素の一つなのです。
一般的におこなわれている髪染めは、ヘアカラーと呼ばれる永久染毛です。
ヘアカラーでは、第1液と第2液を使います。
第1液はアルカリ成分を含むジアミン酸系酸化染料(パラフェニレンジアミン=PPD)と、毛髪への浸透を助ける界面活性剤、それに油成分が配合されています。
第2液は過酸化水素水 (オキシドール)です。
第1液のPPDはアレルギー反応、接触性皮膚炎、粘膜のむくみ、結膜炎、鼻炎、気管支喘息といった病気の発症に関係が指摘されています。
ヘアカラーでは、使用直前にこの2種類の液を混ぜ合わせ、髪に塗ります。
2つの液体を混合することで化学反応が起き、その反応によって髪を染めるのです。
髪は、外側から毛表皮(キューティクル)、毛皮質(コルテックス)、毛植質 (メデュラ)の3層構造になっていました。
ヘアカラーは、コルテックスにあるメラニンを脱色し、染料や色素を使って髪を染めるものです。
髪を染めるためには、キューティクルを強引に開く必要があります。
これだけで髪はダメージを受けますし、第2液の過酸化水素水の強い酸化力がさらに髪を傷めます。
髪だけでなく、頭皮も少なからずダメージを受けることになります。
頭皮の正常菌叢が破壊されると白ナマズと呼ばれる皮膚病の原因になるほか、異常脱毛の原因になる恐れもあります。
さらに、ヘアカラーを繰り返すと、髪の内部に入り込んだ染色粒子が肥大したまま固まるため、髪のアミノ酸のシスチン結合を破壊する事態も起こります。
その結果、枝毛ができたり、髪のツヤがなくなったりし、やがて枯れ木のような髪になってしまうのです。
ヘアカラーはアレルギーを起こす場合があるため、美容院では染める前にパッチテストをおこなってトラブルが起きないかどうかを確認します。
しかし、このテストでかぶれやアレルギー症状が出なかったからといって、絶対安心というわけではないのです。
髪を染める若い女性だけでなく、女子高校生や若い男性のほとんどはこうしたカラーリングの危険を知らないでしょう。
そのときはかぶれやアレルギー症状が出なくても、毛根に対するダメージや頭皮組織を傷めることは避けられません。
髪の毛以外に、もっと重大なリスクもあります。
これらの薬品は、髪や頭皮に対してだけでなく、内臓に浸透することも指摘されているのです。
身体への影響も考えると、ヘアカラーはできるだけしないほうが賢明という結論になります。
●簡単で人気のカラーリンスも決して安全ではない
最近は、カラーリンスも人気があります。カラーリンスは、シャンプー後にリンスをするのと同じ感覚で染められる便利さが、人気のもとになっています。
カラーリンスで髪が染まる理由は、化学染料と特殊溶剤、強力な合成界面活性剤を毛髪のキューティクルに付着させるからです。
ヘアカラーと比べると染色力が弱く、頭皮や髪を傷めないと思われがちですが、実際はそれほど安全なものではありません。
使われている化学染料のなかには、タール系色素もあります。
タール系色素は毒性がきわめて高く、皮膚障害を起こします。
カラーリンスをして脱毛が起きた人の髪を見ると、毛根部に細かい粒子のようなものがびっしりつき、黒く汚れていることがあります。
毛根についている粒子は、化学染料です。
化学染料が毛穴に詰まり、毛根部を黒く汚しているのです。
毛乳頭の太さも、健康な人の半分もないケースが少なくありません。
こんな毛乳頭では母細胞に酸素や栄養が十分に供給されず、健康で正常な髪をつくる働きが十分におこなわれません。
髪は抜けやすくなり、生えてきても細く弱い髪しか生えてきません。
どうしてもカラーリンスを使いたい場合は、使用後によく洗い流すようにしてください。
また、カラーリンス剤をつけている時間をできるだけ短くしてください。
髪の健康を考えるなら、昼間だけ、あるいは外出時だけと時間を決め、できるだけ早く洗い流すことが大切です。
最低でも、寝るときはかならず洗い流してから休むようにすることです。
●塗りっぱなしの白髪用ヘアカラーは安全ではない
白髪を少しずつ自然な髪の色にすることをうたった白髪用ヘアカラーが販売されています。
製品によっては、髪のキューティクルを開くという膨潤剤のほか、酢酸鉛、合成界面活性剤など、地肌には刺激の強すぎる化学物質が配合されています。
洗い流さない塗りっぱなしのタイプの白髪用ヘアカラーは地肌に長時間触れることになりますので、成分が体内に吸収される恐れがあり、大変危険です。
●劇薬を使うパーマは髪を損傷し、脱毛や薄毛の原因になる
パーマをかけると髪が傷むのはご存じだと思います。
しかし、パーマに使うパーマ液は劇薬の一つで、パーマが脱毛や薄毛の原因になることまで理解されている方がどれほどいるでしょうか。
一般的に、コールドパーマは2種類の薬品を使って髪の毛にウエーブをつけます。
第1液はチオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミン、モノエタノールアミン、プロピレングリコール、パラベンといった成分のアルカリ還元剤です。
第2液は臭素酸塩、パラベン、エデト酸塩などを含んだ酸化液です。
まず、第1液で毛髪のタンパク質のアミノ酸成分を結びつけている鎖を切ります。
この間にロッドを巻くなどして髪に癖をつけ、その状態のまま第2液を使ってアミノ酸成分の鎖を再び結びつけるのです。
アルカリ還元剤には、ある一定の時間内なら髪の毛を浸しておいてもよいという規定があります。
しかし、髪の毛の状態は個人差があり、髪の癖も十人十色です。
そうした個人差のある髪をすべて一律に扱うことは非常に危険です。
アルカリ還元剤に髪を2分以上も浸すと、それだけでボロボロになるほどのダメージを受けています。
これを繰り返すと髪のツヤはなくなり、パサパサになって枝毛も増えます。
またパーマ液は髪に直接つけるものですから、頭皮に浸透することを避けられません。
縮毛矯正は、髪の毛に大きなダメージを与えます。
そればかりか、全身の健康にも非常な悪影響を及ぼします。
◎ドライヤーや整髪料にも危険が潜んでいる
●長時間のドライヤーは髪の水分を奪い、髪を傷めるだけ
美容室でのおしゃれ以外に、家庭でおこなうおしゃれにも、抜け毛を進行させる危険が潜んでいます。
そのひとつがドライヤーです。
毎日のシャンプー後にはかならず使う男性や女性、毎朝のブローに長時間ドライヤーを使う女性も多いはずです。
髪の毛の主成分は、ケラチンというタンパク質。
シャンプー後にドライヤーをかけると、髪のスタイリングがしやすくなります。
それはケラチンという糊状のタンパク質の性質に関係しています。
ケラチンには水分を与えられるとやわらかくなり、乾燥すると固まる性質があるのです。
通常、髪の毛には10%程度の水分が含まれています。
この水分があるため、髪の毛には弾力性と伸縮性があるわけです。
しかし、長時間ドライヤーで熱を当てたり、熱風を集中して当てたりすると、髪本来の水分まで奪うことになります。
さらに、髪の毛を部分的に立ち上げたり、カールさせたりしようとすると、その部分に集中的に熱風を当てることになります。
集中して熱風を当てると、髪本来の水分を奪うばかりか、いつの間にか髪のいちばん外側にあるキューティクルが剥がれ、やがて毛皮質や毛髄質までも傷めることになります。
その結果、髪は弾力性や伸縮性を失い、枝毛や切れ毛、果ては脱毛や薄毛の原因になるのです。
ドライヤーのダメージを防ぐには、ドライヤーを使用する前にかならず髪を濡らし、オイルやヘアクリーム、ヘアコンディショナーなどをつけることです。
ただし、化学物質を含まないものを選ぶことが大切です。
直毛やクセ毛でスタイリングしにくい場合は、セットローションを水で薄めてつけることもよいでしょう。
セットローションは樹脂系の高分子でできていますから、その膜が髮の表面を保護し、大切なキューティクルを守ってくれます。
●トニック、リキッドなどは使わないほうがいい
頭皮をスッキリさせるため、多くの男性がヘアトニックを使っています。
化粧品メーカーが次々に新製品を出し、「フケ・かゆみを抑える」などと宣伝もしますので、なんとなく使っている人も多いと思われます。
ヘアトニックの主原料は、アルコールと水と香料です。
アルコールは揮発性物質ですから、つけると確かに頭皮がすっと爽快になります。
しかし、アルコールには髪や皮膚の組織を壊す作用があるのです。
髪の毛や皮膚はタンパク質でできていますが、アルコールはそのタンパク質を分解するのです。
ヘアトニックのほか、ヘアリキッドやスプレー、ポマード、チックといろいろな頭髪化粧品があります。
これらの共通点は、アルコールをはじめとする化学物質がふんだんに使われていることです。
頭髪化粧品を使うのは、たいてい合成界面活性剤入りのシャンプーで皮脂膜をきれいに取り去ったあとです。
そもそも化学物質を頭皮に直接触れさせること自体がよくないことであるうえ、天然バリアである皮脂を除去したところに使うわけですから、いっそうの悪影響が心配されます。
化学物質は毛穴からあっという間に角質層の奥深くにしみ込み、皮下組織をボロボロにしてしまうことが十分に考えられるのです。
頭髪化粧品を愛用していると、頭皮はほとんど1時間にわたって化学物質にさらされることになります。
せめて寝るときくらいはなにもつけずにいることです。
女性は寝る前にお化粧をきれいに落とし、皮膚を休ませます。
そうしないと皮膚組織の機能が衰えることを知っているからです。
男性も頭皮を休ませないと皮膚の組織機能が衰え、毛根も衰えるばかりです。
◎間違った洗髪感覚が毛髪をいじめている
●合成界面活性剤入りのシャンプー剤は髪の大敵
脱毛・薄毛の原因として、間違った洗髪感覚を挙げることができます。
その最大の誤解は、「シャンプー剤を多量に使えば汚れがきれいに落ちて髪によい」という理解です。
石油を原料とする合成界面活性剤には、わずか1滴でゴキブリを殺すほど強力な脱脂作用があります。
強力な脱脂作用で汚れと皮脂を取るため、市販されているほとんどのシャンプーに合成界面活性剤が使われています。
頭皮の皮脂が気になる人は、皮脂を取り除こうと毎日ていねいにシャンプーします。
しかし、合成界面活性剤が添加されたシャンプーを使うと皮脂を取りすぎ、かえって皮脂の分泌を盛んにしてしまうのです。
皮脂は頭皮を保護する天然のバリアであるとともに、頭皮や髪のために有効な成分が含まれています。
それを合成界面活性剤入りのシャンプーで過剰に取り去っていると、皮脂腺に「皮脂の不足」という信号が伝わります。
その信号を受けた皮脂腺は、皮脂の不足をおぎなおうと多くの皮脂を分泌するようになるのです。
また、皮脂を取りすぎると皮脂膜が荒れ、合成界面活性剤はそこから角質に染み込みます。
角質には、水分を身体の外に逃がさない役割や、外部から侵入してくる有害物質を防ぐ重要な働きもあります。
合成界面活性剤入りのシャンプーを毎日、それも朝晩のように使って洗髪すると、大切な働きをする頭皮の角質が取られてしまいます。
頭皮は赤くうっ血したようになり、乾燥して白く粉を吹いたようになります。
さらにひどいかゆみが出るうえ、1カ月もするとひどい抜け毛がはじまり、3カ月も経過すると頭皮が透けて見えるようになるのです。
真夏になると、女子中高生に急性脱毛症が増えます。
これなどは明らかに合成シャンプーの使いすぎによる合成界面活性剤の悪影響が原因です。
清潔を心がけるあまり、朝と部活後、夜と毎日3回も洗髪するため頭皮がやられてしまうのです。
また、フケは頭皮の不潔さをあらわすとして、フケ止めシャンプーを使う人もいます。
フケには乾燥性のものと脂漏性のものがあり、フケの原因も一つではありません。
乾燥性のフケなのにフケ止めシャンプーで皮脂を取りすぎてしまうと、同じように皮脂腺から過剰に皮脂が分泌されてよけいにフケが出るようになります。
フケを止めるために化学物質が添加されていることもあり、頭皮に悪い影響を与えることもあります。
皮脂分泌は、ストレスによって盛んになっていることもあります。
ストレスが原因であれば、いくら洗っても解決できません。
皮脂が過剰だからと洗えば洗うほど、先ほどの理屈で、皮脂腺からの皮脂分泌がますます盛んになるだけです。
シャンプーとリンスが一体化したリンスインシャンプーも、人気があるようです。
シャンプーとリンスが一度ですみ、便利さが人気の秘密になっています。
このリンスインシャンプーにも、合成界面活性剤が入っています。
合成界面活性剤が皮脂を取りすぎる危険はもういいませんが、それ以外に化学物質のシリコンやポリマーが入っています。
なぜこうした物質が入っているかというと、合成界面活性剤で髪の汚れを落としながら、高分子化合物のシリコンやポリマーでツヤを与えるためです。
つまり、髪の毛にプラスチック加工をほどこすことと同じと考えると理解しやすいでしょう。
しかし、こうしたリンスインシャンプーを長期にわたって使っていると、髪がベトッとしたり、パサパサになってしまいます。
●石鹸だから大丈夫。これは大きな誤解
合成界面活性剤の入ったシャンプー、それにリンスインシャンプーは髪の毛に悪いと知る人も増えてきました。
そうした人のなかに、洗髪に石鹸を使う人がいます。
「石鹸だから安全、大丈夫」と安心しているようなのですが、本当に大丈夫なのでしょうか?
石鹸の主原料は、油脂を苛性ソーダで分解したものです。
そこに合成香料やエデト酸塩などの防腐剤を入れて固めてあります。
合成香料にはアレルギーの問題があるうえ、phは9.7くらいの強アルカリ性を示します。
そのまま石鹸シャンプーとして使うと、強アルカリによって頭皮の皮脂を取りすぎることになります。
当然、頭皮は乾燥し、髪もパサパサになります。
そこで、アルカリ度を下げようとすると、酸性物質を入れることになります。
そうなると髪の主成分であるケラチンや皮膚の角質を荒らしてしまうことになってしまいます。
「石鹸だから」と、すべての石鹸を安全と思い込むのはきわめて危険です。
合成香料にも問題があります。
石鹸であらうとさっぱりするのは、石鹸の油脂が髪や頭皮につき、皮膚を守っている皮脂と石鹸の油脂が入れ替わっただけなのです。
つまり、自然の保護膜を洗い取り、石鹸の油脂膜をつけたということなのです。
●「朝シャン」には脱毛を増やす危険がたくさんある
人前に出るときは清潔感を与えたほうがいいとか、サラサラヘアを持続させたいと思うからか、朝シャンを習慣にしている人もいます。
しかし、朝シャンは健康な髪のために決してよいことではありません。
美しく健康な髪を維持したいのであれば、朝シャンはぜひ改めたい習慣の一つです。
朝シャンの問題はいくつかあります。
まず、朝は時間的に余裕のないことが多く、洗い方がつい乱暴になりがちです。
頭皮を傷つけたり、すすぎが不十分になったりします。
毛穴にシャンプーやリンスの溶液が残ると髪のダメージになります。
また、朝シャンする場合、すぐに外出することが多いものです。
シャンプーによって洗い流された皮脂が回復してこないうちに外出すると、空気中の雑菌が髪や頭皮につく可能性があるうえ、湿疹の原因にもなります。
健康な髪と頭皮のためには、洗髪してから少なくとも12時間は外気に触れないことが望ましいのです。
朝シャンでは、洗った髪をよく乾かさないで外出することにもなります。
厳密にいうと、髪は乾いても頭皮が完全に乾いていない状態のままの外出は大きな問題なのです。
後頭部には脳下垂体があります。
髪や頭皮が乾いていない状態でいると、後頭部が冷え、脳下垂体からのホルモン分泌に悪影響を及ぼしたり、低体温を招いたりします。
高熱を出しているわけでもないのに体温を下げることは、身体にとってメリットはありません。
○シャンプーなどの有害物質は皮膚から吸収される。
●シャンプーは多種類の「経皮毒」であふれている。
シャンプーやリンスに配合されている合成界面活性剤はそれ自体が有害な化学物質であるばかりか、皮膚のバリアである角質の細胞膜を壊します。
細胞膜を破壊された角質細胞はパー リアとしての役割を果たさなくなり、皮膚から有害性のある化学物質が侵入するのを助けてしまうのです。
シャンプーにはどんな有害な化学物質が含まれているかを紹介しましょう。
①合成界面活性剤……ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウレス硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテ 硫酸塩(AES)、パレス・ベヘネス(ポリオキシエチレンアルキルエーテル・AE)
②保湿剤・乳化剤….…プロピレングリコール (PG)、ジエタノールアミン (DEA)
③防腐剤….…安息香酸、安息香酸塩
④酸化防止剤……エデト酸・エデト酸塩(EDTA・EDTA-2Na・EDTA-4Na)、ジプピルヒドロキシトルエン (BHT)
⑤着色剤……タール系色素(赤色〇号、青色〇号など)
多種多様な化学物質です。
表示されているだけでも、シャンプーにはこれだけの有害な化学物質が含まれているのです。
強力な合成界面活性剤の入ったシャンプーを使うと、こうした有害物質が頭皮から侵入する大きな危険があるのです。
●リンスには、シャンプーよりも危険な界面活性剤が入っている
リンスにも、シャンプーに負けないほどいろいろな有害化学物質が入っています。
シャンプーと重複するものが多いのですが、これも「経皮毒」から紹介しておきます。
①合成界面活性剤……塩化アルキルトリメチルアンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(AES)、セデス・ベヘネス(ポリオキシエチレンアルキルエーテル・AE
②保湿剤・乳化剤……プロピレングリコール (PG)
③防腐剤……安息香酸・安息香酸塩
④着色剤……タール系色素(赤色〇号、青色〇号など)
リンスに配合されている合成界面活性剤は、陽イオン系界面活性剤といいます。
この系統の界面活性剤は殺菌剤や帯電防止剤、柔軟仕上げ剤としても使用されているのですが、シャンプーに使われている合成界面活性剤よりも作用が強力で有害な作用を示すことが多いのです。
洗髪したあとのリンスは、常識のようにいわれています。
リンスをつけるのはシャンプー後に髪がきしむからですが、リンスにも合成界面活性剤が入っていますし、基本的に洗髪にリンスは必要ありません。
シャンプー後に髪がきしむ理由は、天然のバリアである毛表皮(キューティクル)を取りすぎるからです。
多くの人は、この状態を「髪の汚れがきれいに落ちた」と勘違いしています。
しかし、実情はキューティクルというバリアがなくなり、髪の組織がむき出しになっています。
だから、こすれあってギシギシときしむ感じがするのです。
極端にいえば、有害な化学物質が配合されたリンスは、シャンプーの悪い面をカバーするために存在するようなものです。
良質のシャンプーであれば、リンスを使う必要はないのです。
●シャンプーなどの有害化学物質は経皮吸収されやすく、蓄積されていく
「皮膚から有害な化学物質が吸収されるとは知らなかった」
こういわれる人もかなり多いのではないでしょうか。
皮膚の部分によって吸収率はかなり違うようです。
たとえば腕の内側を1とした場合、頭髮部は3.5倍、額部分は6倍、手のひら0・83倍、かかと0.14倍、性器42倍となっています。
つまり、毛の多い部分では吸収率が高く、角質層の厚い部分では低くなっているのです。
この結果だけでも、頭部では有害化学物質が多く吸収されることがわかります。
しかし、洗髪をおこなう入浴時にはさらに吸収率が上がるのです。
というのは、これら化学物質は、皮膚の温度が高ければ高いほど、皮膚から入り込みやすくなることがわかっているからです。
皮膚温度が10度から37度に上昇すると、吸収は約10に跳ね上がるといいます。
入浴時には、皮膚温度が上がっています。
有害化学物質が皮膚から吸収されやすい危険な状態だということです。
また、当然ですが、皮膚に傷があると、有害化学物質の侵入が容易になります。
シャンプー時に爪などで皮膚に傷をつけると、もう有害化学物質の入り口をつくってやるようなものです。
シャンプーでは頭皮を傷つけないように、洗うときは指の腹を使うようにしてください。
さらに、皮膚から吸収された経皮毒は、経口吸収された毒とは違う怖い側面を持ちます。
経口で入った有害化学物質は、そのほとんどが肝臓で無毒化されます。
対して、皮膚から吸収された有害化学物質は、肝臓での解毒作用を受けません。
長期にわたって皮下組織にとどまり、ゆっくりと体外に排出されていきます。
シャンプーのように使用回数が多いと、皮膚吸収された有害化学物質の一部は皮下組織に残留することになります。
そのうえでまた皮膚から有害化学物質を吸収するのですから、残留する化学物質の濃度は高まっていくばかりです。
このことが脱毛を早めるばかりか、育毛を邪魔していることも十分に考えられます。
何気なく使っているシャンプーやリンスには危険な化学物質がたくさん含まれており、髪に日常的にダメージを与えているのです。
正しい育毛のためには、こうした小さなことにも留意が必要です。
いまあなたが使っているシャンプーやリンスの成分表示を確認してみられたらいかがでしょう。
危険な化学物質が表示されていれば使用を控え、安全な成分が使われているシャンプーやリンスに変えることをお勧めいたします。