十分で良質な睡眠の工夫

十分で良質な睡眠の工夫
髪の毛は夜中に成長する
髪の毛の毛根にある毛母細胞の分裂は、午後9時ごろにピークとなり、髪の毛は午後10時から午前2時ごろにかけてもっとも成長するといわれています。
また睡眠時間が減れば、頭皮の血流が悪化し、髪の毛の成長によくない影響を与えるおそれがあります。
そのようなことから、睡眠不足や睡眠時間帯の不規則は、薄毛、脱毛につながることがあると考えられます。
6~8時間程度を目安として、なるべく十分な睡眠時間を確保するようにしてください。
また、時間だけでなく、熟睡感が得られる睡眠であることも大切です。
十分で良質な睡眠をとるための工夫や注意点として、次のようなことが挙げられます。

・静かで暗い寝室。適度な室温。
・午後から夕方にかけて軽い運動を。就寝前の激しい運動は避ける。
・寝床につく2~3時間前に入浴する(湯温をあまり熱くしない)。
・寝る前にカフェイン、アルコール、ニコチンなどをとらない。

とくに、なかなか寝つけないからといって、アルコールの力を借りて眠ろうとするのは避けてください。
眠りが浅くなりますし、うつ気分が強まるおそれもあります。
そのようなやり方を繰り返せば、アルコールの量がしだいに増えて、アルコール依存症になってしまうこともあります。

睡眠が短ければ、せめてしっかり食事を
実際には、たとえば仕事が非常に忙しいなどの理由から、睡眠時間がどんどん減り、朝はギリギリまで寝床にいて朝食も取らずに出かけ、昼も麺類だけですませたり食べなかったり、夜は帰りがけにコンビニ弁当を買ってすませる。
というように、睡眠、食事、生活サイクルをまとめてガタガタッと悪い状態にしている人が少なくありません。
ケースバイケースですが、たとえば睡眠時間がどうしても短くなりがちだったら、せめて食事だけはできるだけ、朝、昼、夜、きちんと取るようにしてください。
食事の時間も、だいたいでいいので、なるべく固定するようにしましょう。

バランスのとれた食事を
良質のタンパク質、ビタミン、ミネラル
片寄った食事や栄養不足、過度のダイエットも、髪の毛の太さ、成長のスピード、色などに変化を及ぼします。
食事内容を整え、毎日の食事をなるべく規則正しく取ることも、髪の毛の健康にとって大切なことです。
健康にいい、髪の毛にいいといわれるさまざまな食品の情報が、盛んに宣伝されています。
食事は毎日のことですから、ふつうに取る当たり前の食品と、髪の毛の健康に関して、ひととおりの基本的なことは知っておいたほうがいいでしょう。
髪の毛はケラチンと呼ばれる硬タンパクからできていますので、良質のタンパク質を含む食品を積極的に食べることが大切です。
それから、髪の毛の成長を促し、健康を保つために、各種のビタミン、ミネラル類をバランスよく取るようにしましょう。
タンパク質を多く含む食品というと、肉類ばかりを食べたりする人がいますが、それでは脂質の取りすぎになりがちです。
魚介類、大豆、納豆、牛乳、卵など、タンパク質を含むいろいろな食品を取るようにしてください。
また、ビタミン摂取のためには緑黄色野菜、果物などが大切ですし、ミネラル類を豊富に含む食品という意味でも、食事に魚介類を上手に取り入れ、海藻類なども食べるようにしましょう。

なるべくたくさんの種類の食品を
ケラチンはたくさんのアミノ酸から構成されていますので、さまざまなアミノ酸を取る必要があります。
ビタミンにもミネラルにも、たくさんの種類があります。
毎日食べるもののなかの、どの食品にどんな種類のアミノ酸、ビタミン、ミネラルが含まれているかまでチェックするのは簡単ではありません。
そこで、あまり細かいことにとらわれすぎずに、毎日の食事で大事なことをきちんと確かめておきましょう。
まずとにかく、同じような食事内容を何回も繰り返さないようにして、なるべくたくさんの種類の食品を食べることです。
肉類だけでなく、魚介、豆類、卵などをなるべく取り入れる。
野菜、果物、海藻類をよく食べる。
そのようにしていけば、食事のバランスが自然にある程度整ってきます。

サプリメントも活用して
栄養バランスの手助けとして
食事の大切さはわかっているけれど、忙しくてつい簡単にすませてしまうことが多いという人もいます。
また残念なことですが、野菜や果物、海藻類などの栄養価が以前よりも低下しているとも指摘されています。
そのようなことから、栄養バランスの手助けの一つとして、サプリメント(栄養補助剤)を上手に使うというのも、考えていいことの一つです。
生活サイクルが全般に乱れてしまっている人は、まずサプリメントの使用で栄養状態をある程度立て直していく。
そうして体の調子が少し上向いていくことで、食事や睡眠など生活の改善に前向きに取り組むきっかけがつかめる。
そのような経過をたどることもよくあります。

ビタミン、ミネラルを中心に
髪の毛のための栄養としては、次のようなものを挙げることができます。
ビタミン類では、ビタミンB群(B1、B2、B6、B12)、ビタミンC、ビタミンE、ビオチン(ビタミンH)、葉酸、など。
ミネラルでは、亜鉛、マグネシウムなど。
とくに亜鉛が大事であると感じています。
必須ミネラルは体内で合成されませんので、外から摂取する必要があります。
髪の毛のおもな「原材料」になる必須アミノ酸を含む良質のタンパク質も重要です。
また最近では、コエンザイムQ10やα-リボ酸などが、細胞を傷つける活性酸素を減らす物質として話題になっています。

喫煙の髪の毛への悪影響
末梢血管を強力に収縮させる
タバコのニコチンには、末梢の血管を収縮させる作用があります。
そのために、頭皮の毛根周囲の血流を低下させ、髪の毛の成長に悪い影響を与えるおそれがあります。
また、活性酸素を増加させ、細胞のDNAを傷つける可能性も指摘されています。
ニコチンによる末梢血管の収縮は、髪の毛への悪影響だけでなく、全身にさまざまな健康上のリスクをもたらします。
心臓に栄養を送り込む冠動脈が編めば、狭心症や心筋梗塞が起こりやすくなります。
脳血管に影響すれば、脳梗塞のおそれにつながります。
脚の血管が血行不良になれば、足先のしびれなどが起こります。

禁煙用品、禁煙外来などの活用も
髪の毛の悩みを持つ人はとくに、できるだけ禁煙をしてほしいと思います。
すぐにはどうしてもやめられなくても、一日5本程度にまで減らしていただきたいです。
実際、禁煙が発毛にプラスになったと思れるケースがあります。
タバコのニコチンには強い依存性があり、禁煙は必ずしもラクなことではありませんが、最近では、いろいろと工夫された禁煙用品も開発されています。
「禁煙外来」などタバコ対策の窓口を開設している医療機関もあり、そういったところにまず相談してみるのも、一つの方法でしょう。

ストレスを和らげるためには
ホルモンや免疫への影響も
過度のストレスも、薄毛、脱毛につながるおそれがあります。
精神的なストレス、不規則な生活などから来る身体的なストレスにより、自律神経のバランスがくずれて血管が収縮し、血行や栄養の循環が悪くなり、頭皮の状態の悪化や脱毛を引き起こすのではないかと考えられています。
また、ストレスの高まりはホルモンや免疫の働きにも影響するといわれています。
たとえばホルモン分泌の乱れから胃腸の働きが悪くなり、栄養の吸収が低下して、毛母細胞への栄養供給が不足し、髪の毛の成長に悪い影響を与えるということも考えられます。
何が強いストレスになるかは、人によってさまざまですし、ストレスがまったくゼロになればいいということでもありません。
仕事でも勉強でも、課題や締め切りなどがあるからそれなりに頑張れるということもあります。
どんなことが自分にとってストレスになりやすいのかを知って、ストレスをためすぎずに適度に解消していくように心がけることが大事です。
良質な睡眠やバランスのとれた食事は、ストレスの軽減という意味でも大切です。

何も考えない時間をつくる
まじめな人ほど、いったん何かに悩み始めると、とことんこだわってしまいがちです。
そんなときほど、意識的にちょっとひと休みしたり、何か気分転換になりそうなことを試してみたりすると、ストレスの軽減につながることがあります。
何か自分の好きな趣味やスポーツ。
やっていると気分がよく、楽しくなるようなこと。
やり始めると集中できて、ひたすら取り組んでしまうようなこと。
また、短時間でいいので、ボーッと何も考えないような時間をつくってみるようにすることも役に立ちます。
工夫をして、あまり物事を思いつめずにボンヤリとすごす時間をつくることで、気持ちが少し軽くなることもあるのです。

髪型を工夫してみることも
女性の薄毛は前髪をカットしてみる
薄毛や脱毛で困っている人が、髪型に少し工夫をしてみると、意外に気持ちがラクになることもあります。
40歳代、50歳代の女性があるとき自分の薄毛に気づく場合、前髪が細くなったり少なくなったりしてきた、セットがしづらくなった、などというのがよく見られるパターンです。
ここで多くの人は、前髪が頼りないので、なんとかもっと伸ばしたり増やしたりできないものだろうかと考えます。
そこで、逆転の発想として、思い切って、前髪を短く切ってしまうのは、どうでしょうか?
自分がいちばん信頼する美容師に、次のように相談してみるのです。

「ちょっと前髪が頼りなくなってきたので、思い切って短くカットしてみたらどうかと思っているんだけれど」
「前髪を短くして、私に似合って、かっこよくするには、どうしたらいいかしら?」

美容師もプロですから、得意客からそんなふうに持ちかけられたら、張り切って工夫をするかもしれません。
実際にそうやって前髪を短くカットした人もかなりいます。
そういった人たちは、はっきりと表情や雰囲気が明るくなっています。

「またけっこう生えてきた」という人もいますが、実際には、カットの仕方がうまくて目立たなくなったという要素が大きいようです。

男性型脱毛症は、全体に短めにカットを
女性に限らず、男性でも、とくに若い年代の人で、髪の長さやヘアスタイルを思い切って変えて、すっきりした表情になったケースがあります。
薄毛が目立たなくなって気持ちが軽くなったということもあるでしょうし、そのように思い切ることそのものの「効果」もあるように感じます。
また、男性型脱毛症では、生え際から前頭部、頭頂部にかけて薄毛が進み、側頭部や後頭部は影響を受けにくいといった進行が一般的です。
そのせいもあってか、薄毛が気になり始めると、両サイドの髪の毛を伸ばして全体のボリューム感を出そうとする人がよくいます。
そうすると、多くの場合、かえって前頭部や頭頂部の薄いところが日立ってしまいますから、若い年代の人に限らず、頭髪全体のボリュームを減らし、やや短めにカットしたほうが、薄毛を目立たないようにする効果が期待できます。
とくに、比較的髪の毛が多く残っている側頭部や後頭部を、思い切って少し短く切ってみると、全体のバランスが案外とりやすくなります。

カツラ、ウィッグをいつ外す?
「70点の発毛」ではまだ外せない
薄毛をカバーするためにカツラやウィッグを使っているという人もいます。
そういった人たちが頭髪の治療に取り組んで、ある程度の発毛効果が出てきたときに、いつ、どうやってカツラを外すか、外せるかということが、たいへんデリケートでむずかしい問題になることがよくあります。
髪の毛がまったくないのを0点、十分フサフサな状態を100点として、できれば100点になってカツラを外せるのが理想です。
しかし最善の努力をしたからといって、本人の満足度が100点満点という治療効果は、なかなか得られるものではありません。
そこで、80点、90点の状態で、思い切ってカツラを外そうか、どうしようかと相談していく。
実際の頭髪治療のなかでは、そういったこともよくあります。
たとえば円形脱毛症がある程度進んでしまいカツラを使用している女性で、いまの自分の状態は30点くらいだと思っているとします。
この女性に対する頭髪治療がそれなりに効果的に進展して、60点、70点になっても、カツラを外す気持ちにはなれません。
また、円形脱毛症の場合は、治り方が「まだら」であった場合、100点になるまでカツラを外せないこともあります。

長期休暇が一つのタイミング
カツラを使っている男性会社員のケースです。
発毛治療の効果がある程度出てきているときに、夏休みや年末年始の少し長い休暇に入る時期がねらい目。
休みに入ったら、すぐに理容店か美容院に行って、髪の毛を思い切って短く切ります。
そして休み明けに、誰よりも早く職場に行って、出勤してくる同僚一人ひとりに朝の挨拶をしながら、「休みの間に髪を切ったんだけど、思ったより薄くなっていて驚いたよ」と言ってみましょう。
カツラを外すときに限らず、髪の毛の治療を進めていくなかでは、このように「本人の思い切った決断」が、新しいステップへと進むための大切なポイントになることが少なくありません。

自分自身の感覚を大切に
マスコミ情報に振り回されずに
最近では、テレビや雑誌などのマスコミに、髪の毛に関することだけでなく、健康食品やサプリメント、漢方薬など、さまざまな情報があふれています。
自分に向いていそうなものを試してみるのもいいのですが、そういった情報に、あまりいちいち振り回されすぎないように気をつけてください。
そのためにはまず、客観的、科学的に正しいと信頼できる知識を、自分なりにきちんと身につけていくことが大切です。
健康に関することについて、医師など専門家から知識を得たり、必要に応じて相談したりするのも大事なことです。
このごろ抜け毛がとても多い、ずいぶん髪が薄くなったと、自分一人で悩んだり心配したりばかりしていないで、近隣の皮膚科医などに相談してみましょう。
そうすれば、少なくともまず、第三者による客観的な観察の結果や判断を聞くことができます。

「何かいつもと違う」という感覚
それと同時に、何でもあまり人まかせにしないで、いわゆる「常識」や「自分の感覚」で考えてみることも、同じくらい大切です。
髪の毛のことで悩んでいる人のなかには、何かと自信をなくし、何でも「人まかせ」「誰かの言うがまま」のような心理状態に傾いてしまっている人がいます。
手の皮膚がガサガサしてきた、体の調子が悪いんだろうか。
顔の皮膚にツッパリやカサツキを感じる、化粧品が自分に合っていないのかもしれない。
そういった感覚は、誰もがそれなりにもっているはずです。
頭皮についても、基本的には同じことです。
かゆみや痛みがあったり、軽くなでてみてなんとなく不健康な感じがしたりするときには、頭皮にとって「何か」よくないことが起こっている可能性が高いと考えるべきです。
自分の心身のことに関して、「何かおかしい」「いつもと違う感じがする」と最初に気づくことができるのは本人です。
「おかしい」という実感は本人にしかわかりません。
そういった自分自身の日々の感覚を、きちんと受け止めてほしいと思います。
自分の感覚を大切にして信じる。
だけど、自分一人で決めつけたり抱え込んだりしないで、早めに医師など専門家に相談したり診療を受けたりする。
その両方が大事です。
自分を信じることも、誰かの手助けを適切に借りるのも、どちらもあなた自身の大切な力なのです。

この記事を書いた人
狭山清美

毛髪診断士、管理栄養士、フードコーディネーター
1984年生まれ。さいたま市出身。2児の母。
大妻女子大学管理栄養士専攻コースを卒業後、管理栄養士資格を取得。
健康食といわれる和食の利点を活かしつつ毛髪効果のある「和料理」を提唱する。趣味はマンガ(ワンピース)。

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