脱毛予防に朝シャンは厳禁
サラサラと風になびく髪は、全女性の憧れです。
年齢を重ねるたび、あるいは年齢を待たずに痛んだ髪に悩んではじめて、髪の毛がいかに女性にとってかけがえのないものであったか。
多くの方はきっと、そんなことをため息まじりに感じていることでしょう。
若い女性の間に流行した「朝シャン」 は、サラサラ髪に美を求めた女心の一つの現われだったのでしょう。
朝シャンは、若い女性に増え始めた薄毛傾向と密接な関係をもっています。
朝、出かける間際の忙しいときにシャンプーすると、シャンプー液のすすぎの不十分が起こったり、乱暴な洗髪をする。
それが薄毛へと導いていると、多くの専門家は言っています。
洗った髪をよく乾かさない、厳密に言えば、髪は乾いても、頭皮が完全に乾いていない状態で出かけることが問題なのです。
朝シャンがいけないのは、後頭部には脳下垂体がありますが、濡れた状態がそれを冷やしてホルモン分泌に悪影響を及ぼしたり、低体温を招くからです。
高熱の時、頭を冷やすと、体の体温が下がることからもこのことは理解できると思います。
また、シャンプーによって洗い流された皮脂が回復しないうちに外出すると、空気中の雑菌が髪や地肌につき湿疹の原因となるからです。
少なくとも洗髪後2時間は、外気に触れないことが望ましいでしょう。
ドライヤーの前に、髪に水分補給
髪の中にはケラチンというたんぱく質の一種で糊状のものが含まれています。
ケラチンは水分を与えられると柔らかくなり、乾燥すると固まるという性質をもっています。
シャンプー後ドライヤーをかけるとスタイリングしやすいというのは、この性質を利用しているからです。
髪には通常、約10%ほどの水分が含まれていて、髪に弾力性や伸縮性を与えています。
ドライヤーが髪に与える影響は、すでにご存じのことと思いますが、ドライヤーがマイナスに働くのは、長時間、あるいは部分的に熱風を近づけすぎることによって、髪の水分を取ってしまうことにあります。
オーバーなブローは髪の弾力性、伸縮性を失わせ、枝毛、切れ毛、薄毛の原因となります。
ドライヤーの前には必ずヘアコンディショナーかヘアクリームをつけましょう。
直毛やくせ毛でスタイルが決まりにくい方なら、セットローションをつけてもかまいません。
ただしその際は、セットローションに水を加えて薄め、スプレーで髪の表面に軽く吹きかけてからドライヤーをあてるのがよい方法です。
セットローションは水溶性なので水で薄めることができます。
また、樹脂系の高分子でできているので、その膜が髪の表面を保護しし、ヘアスタイルを長持ちさせる効果をもっています。
多少バリバリした感じになりますが、キューティクルの保護やさっぱり感を得たい人にはおすすめです。
正しいブラッシングの仕方
ブラッシングは、頭皮を刺激して、毛細血管の血行をよくする効果があります。
毛根部に栄養がどんどん運ばれ、髪の毛を健康に育て、抜け毛、切れ毛を防ぎます。
もちろんブラッシングは、髪に付着したちりやほこりを取り除き、ほつれをときほぐたり、つやを与えますが、その効果はほんの一部。
基本的には、ブラッシングは頭の血行をよくするために行います。
ただし間違ったやり方は、かえって頭皮を痛めることもありますから、正しいブラ
ッシングの方法は、しっかりマスターしておきましょう。
まず、ブラッシングする前には必ず髪に湿り気をあたえましょう。
乾燥した髪のままブラッシングをすると、摩擦で静電気が生じます。
静電気は髪を痛め、切れ毛の原因になるからです。
水またはヘッドローションかコンディショナーをつけて、濡らせてからブラッシングしましょう。
ブラッシングの要領は次のように行います。
①まずブラシの柄の中央をしっかりと握ります。
②最初はゆっくりと、髪のほつれをといていきます。
③次に毛先にブラシをいれて毛筋をならし、髪の流れを整えます。
ここまでがブラッシングのウォーミングアップ。
髪の流れが整ったら、次に本格的に根元から頭皮をブラッシングしていきます。
④まず頭髪の左右を前、横は下、後ろに分けます。
⑤前の部分を1回程度、毛の流れと逆の方向にまんべんなくブラシをいれます。
⑥次に横、さらに後ろへと進め、同じように1回くらい丹念にブラッシングします。
前、横、後ろの順序は必ず守ってください。
生え際から頭頂部へとブラッシングをしていくと、起立筋の働きがよくなり、頭皮をもちあげながら血液の循環をよくする、つまり血液の流れを、外側から内側へと作っていくからです。
ブラシそのものの材質も、ぜひ見直していただきたいポイントです。
多分、いま使っているのはナイロン製、あるいは金属製のブラシではありませんか。
もしそうなら、いますぐ使用を中止してください。
なぜなら、ナイロンブラシから起こる静電気が髪に悪影響を及ぼすからです。
ナイロン製のブラシでブラッシングすると、髪の乾燥度にもよりますが、そのときに起こる静電気量は数百ボルトにもなると言われています。
ブラッシングのたびに静電気は毛幹を伝わり、毛乳頭の毛根組織の間に放電されます。
この現象が幾度となくくり返されると、その部分に角質化が起こります。
結果は脱毛。
しかも静電気で破壊された毛根からは、二度と新しい毛が生えることはないのです。
髪に優しい最適ブラシは、柘植のブラシです。
柘植は植物ですから静電気を帯電しません。
また、表面も柔らかいので毛表皮を傷めることがないのです。
このブラシのもっともよい使い方は、使う前に椿油をクシに染みこませ、シャンプーでさっと洗い流すこと。
毛表皮を傷めることなく、滑らかにブラッシングができます。
木質の乾燥を防ぐために、時々は椿油を塗って手入れをすることも忘れずにしたいものです。
拓殖のほかには、イノシシやプタなどの動物性のものがおすすめです。
正しいシャンプーの仕方
毎日しているシャンプーですが、意外と正しい方法を知っている人は少ないようです。
時間がない、あるいは面倒臭いなど、毎日のことですから、ついついおろそかになりがちなのかもしれません。
しかし、髪への影響を考えれば、やはりここは基本的な、髪に優しいシャンプーの仕方は覚えておく必要があります。
順を追ってご説明しましょう。
①まず、シャンプーをする前に、軽くブラッシングをします。②お湯で十分髪を湿らせながら、軽く前洗いをします。
③その後、シャンプーを適量手にとって、地肌に爪を立てないように、指の腹で頭皮を十分にマッサージしながら本洗いに入ります。ここで頭皮の古い角質や汚れた皮脂をしっかり落とします。
④十分に洗い終わったら、たっぷりのお湯で洗い流します。
⑤シャンプーは二度行います。2回目は1回目の半量を、今度は地肌ではなく、髪の毛を泡立てながら洗います。
⑥頭皮についているシャンプーを、指腹で皮膚を擦るようにして、髪の流れに逆らわないようにゆっくりと、たっぷりのお湯で流します。
⑦トリートメントは、まんべんなく髪につけ、タオルを巻いて蒸すこと10~15分。ぬるま湯で洗い流します。
これだけの過程をすすめると、それなりの時間がかかります。
でも、髪にとっては大切な時間です。
頭皮が痒いからといってゴシゴシ爪を立てたりしないこと、髪は擦り合せるように洗わないようにしましょう。
ゆったりとした気持ちをもって、この基本は押さえてほしいものです。
安全なシャンプーを選ぶ
問題はシャンプーです。
市販されているシャンプーの多くは、石油合成の界面活性剤が使われていて、それが髪を傷めるのです。
では、いったいどんなシャンプーを使ったらいいのでしょうか。
基本的には、あまり安価なシャンプーはお使いにならないほうが賢明です。
なぜなら、髪によい成分を取り入れようとしたら、安価な値段ではとうてい作れないからです。
また、現在合成されたシャンプーをお使いなら、すでに傷んでいる髪を治し、頭皮から正常な状態に戻すことを目的としたシャンプーが最適だからです。
脱毛や薄毛に悩む若い女性が増えているという現象もさることながら、つけた育毛剤が原因で湿疹、つまりアレルギー反応を起こす方がいます。
市販の育毛剤はその70%がアルコールからできていますから、それに反応を起こしていると考えられます。
アレルギーを起こす成分はこのかぎりではありません。
そのほかにも金属アレルギー、電気アレルギーなど、原因となるものは徐々にその範囲を広げているように思われます。
翻って考えれば、それは人間の体質そのものが自然を求めているといっても過言ではないでしょう。
自宅でできる育毛マッサージ
食生活の見直し、生活習慣の改善のほか、自宅で毎日行ってほしい のが育毛マッサージです。
体全体から血行をよくし、酸素を効率よく取り入れ、頭皮全体を発毛・育毛に最適な状態にする方法です。
自宅に限らず、時間の空いたときに手軽に行えるのも、育毛マッサージの利点です。
仕事に追われてゆっくりした時間を過ごせない方にも、この簡単マーッサージ法は、ぜひマスターしていただきたいと思います。
方法は簡単。
順を追ってご説明しましょう。
まず、肩の凝りをほぐし、血行を促す方法です。
肩凝りの自覚症状がなくても、以外と肩から首筋にかけて硬直している人は多いものです。
①首筋を伸ばすように意識しながら、前後に大きく首を振ります。これを3回。中央で一度止めるのがポイントです。②次は左右に首を倒します。中央で一度止めて、大きく、 3回。1のとも背筋は伸した状態が基本です。
③今度は首を左右にひねります。中央で止めるようにしながら、右に3回、左に3回。それが終わったら、首を十分に回転させます。これも右回り3回、左回りも3回行います。
それが終わったら、今度は肩の回転運動です。
④手を下に下ろした状態で、後ろに3回、背筋を伸ばした状態で肩だけを回転させます。
⑤次に、肩を上げ下げします。上げるときは肩を縮めるように、下げるときは、さっと力を抜くように、3回ずつ行います。
⑥今度は、腕全体を使って、前回し、後ろ回りを3回ずつ。思いっきり回してください。
次は酸素を十分に取り入れ、細胞を活性化する運動です。
⑦手はまっすぐにして、胸を十分にそらせながら、後方斜め後ろに振り上げます。これを3回くり返します。
ここまでが、肩、首筋の凝りをほぐす運動ですが、神経を使うと首筋がこり、血流が悪くなるので、指圧も加えるとより効果的です。
⑧首筋の横を上下に、中指を使って指圧します。下から上へ5回ほどくり返します。⑨今度は、襟首のくぼんでいるところを、首筋に沿って押し回 しながら、5回往復します。
いよいよ頭部周辺に移ります。
まず、頭の疲れを癒す方法。
⑩両方の親指を使って、両こめかみをぐっと指圧します。これを3回。頭頂部へ血液が流れるように、血液を貯めるようにするのは次の方法です。
⑪5本の指の腹を使って、頭皮をつかみ上げるように早い動作で行います。全体を万遍なく、50回行います。
⑫次に親指以外で、同じように指腹でパッティング。50回ほど、万遍なく頭全体に行います。
⑬さらに5本の指腹を使って、耳の上から少しずつずらしながら、頭皮を天項部へと押し上げるようにゆっくり。これを3回くり返します。
⑭頭の両角を手のひらで登頂部へ向かって押し上げ、そのまま止めて5秒ほど待ちます。これを3回行います。
仕上げは、頭頂部にある百会のツボを刺激します。これは精神的な安定を得るのに効果的です。
⑮手を軽く握ります。手首の力を抜いて、上下に振る反動を 利用しながら、親指と人差し指の交差する背で軽くパッティングします。手首を使うのがポイント。軽く10回ほどくり返します。
以上が育毛マッサージの全行程です。
文章にすると長くなってしまいますが、実際にマッサージを行う場合は、長くても5分で終了するはずです。
できれば毎日、お風呂上がりの血行のよいときにくり返すのが理想的、効果的ですが、時間が許さないなら、部分部分を、都合のよい時間に割り振っても構いません。
逆にいえば、まとまった時間を取らなくても、いつでも、どこでもできるのが育 毛マッサージ なのです。
毎日、絶対にやらなければいけないという義務感はかえってマイナス。
いろいろ工夫しながら、自分にとって一番無理のないやり方で、毎日の生活に取り入れていただくことがが最良だと思います。