[薄毛・脱毛予防のファーストステップ]髪と健康の密接なつながり

抜け毛と薄毛の対策

かつて薄毛・抜け毛という言葉は、男性のものでした。

しかし、最近その傾向は女性の間にも広がりつつあります。

ヘアファッションの目まぐるしい流行、それに伴うさまざまな毛髪製品の氾濫、そして、それらがあまりにも安易に使われています。

こうした悪条件の蓄積は、確実に女性の髪を薄毛へと向かわせる「脆いもの」に育て上げてしまいました。

そればかりはありません。

私たちを取り巻くさまざまな環境や生活習慣が、自然から離れれば離れてしまうほど、脱毛も同じカーブを描いて増えているという現実があります。

年をとるにしたがって、体の生活活性が衰えるころから始まる脱毛は、言ってみれば生理的な現象でした。

薄毛・抜け毛と言えば、昔はお年寄りのものだったのです。

薄毛・抜け毛を治したらノーベル賞もの、と言われ続けているように、いまほど医療・研究のの進んだ現代でもなお、薄毛にいたる原因は依然としてベールに包まれています。

髪の毛の発育のメカニズムそのものが非常に複雑なこともさることながら、原因究明にはさらに、皮膚科学、遺伝子学、栄養学、解剖組織学といういくつかの専門分野の解明が必要だからです。

言い換えれば、それぞれの分野からの影響が脱毛にはかなりの確率で関係していると言えます。

実際、髪の毛はいろんな顔をもっています。

髪の表情は実に多彩です。

その人の生活環境、健康状態などが確実に映し出されているからです。

髪の毛や頭皮は、内臓諸器官の働きやホルモンの分泌、自律神経の働きなどの影響を、常に大きく受けています。

どこかにトラブルが発生すると、それは髪や頭皮に現れ、私たちに健康状態の危険信号を送ってくれているのです。

髪がパサついてきたとき、抜け毛が多くなったと感じたとき、フケが多くなってきたときのことを思い出して見てください。

そのとき、あなたの身のまわりになにか大きな変化はありませんでしたか

それが原因で精神状態が非常に不安定だったのではありませんか。

片寄った食生活をしていませんか。

無理なダイエットはしていませんでしたか。

不規則な生活をしていませんか……?

健全な精神は健全な肉体に宿る、という言葉があります。

この言葉はそのまま,健全な髪の毛は健全な肉体に生える。

という言葉に置き換えることができます。

髪と健康、厳密に言えば、髪と頭皮と健康は非常に密接な関係性を築いています。

髪や頭皮の異常は体の異常でもあるのです。

いつまでも美しい髪のために、あらためて 健康的な環境を振り返っていただきたいと思います。

髪の毛と頭皮の密接な関係

私たちを取り巻く環境には、無数の汚染物質が存在しています。

自動車の排気ガス、たばこの煙り、雑踏に漂うほこり、食べ物や食器などに付着している雑菌、浴槽の湯の中に潜む病原菌……、数え上げたらきりがありません。

こうした汚染された環境のなかで私たちが、まがりなりにも健康で生きていけるのは、それを無害化する機構がもともと体に備わっているからです。

血液中にあるリンパ球が、侵入してきた菌に対して抵抗力をもつように働く免疫もその一つです。

また、自然治癒力と呼ばれる機構もその一つ。

身近な例で言えば、ナイフで傷つけたり、転んで擦りむいても、軽いものなら細胞は自然に再生されるでしょう。

皮膚や頭皮にも当然、こうした精巧なメカニズムが備わっています。

その働きの中心を担っているのが、皮膚の一番外側にある層 = 角質層です。

角質層を顕微鏡で見ると、平板な一枚の岩のような形をしています。

角質層はそれ自体、すでに生命活動を停止した細胞ですが、新陳代謝をくり返し真皮から表皮へ、そして角質層へと移行してきた細胞の中には、ケラチンと脂質がまざり合って「ケラチンパターン」と呼ばれる緻密な構造が存在しています 。

このケラチンパターンが外部からの無数の有害物質が侵入してくるのを防いでいるのです。

角質層にはまた、水分を対外に逃がさないようにする働きがあります。

人間の体はその60%が水分だと言われていますが、これらが蒸発してしまわないようにしているわけです。

つまり、正確に言えば、角質層に含まれるケラチンパターンは、外部からの異物の侵入を防ぎ、内部にある水分を外に逃がさない防御膜=バリアの働きをしているということになります。

と同時に、必要なものだけは外部に排出するというフィルターの役割もしているのです。

もし、この角質層の細胞構造が破壊されたらどうなるでしょうか。

水分は無防備に体外に排出され、細菌などの有害物質が入りこんできます。

保湿と防御の2つの機能が、同時に低下してしまうのです。

当然、頭皮の中から生え育っている髪の毛も正常ではいられなくなります。

髪の毛は、皮膚を基盤として変化・発生したものです。

3層構造を持つ皮膚のなかから発生し、その皮膚が陥没してできた毛孔の中から生え、同じ3層構造で構成されています。

言ってみれば、髪の毛は皮膚の一部ともいえます。

髪の毛が健康に育つには、発生のもとである皮膚、つまり頭皮が健康でなければなりません。

土の中に根を生やす植物が、芽を吹き、きれい な花を咲かせるためには、土壌の質が問題になるのと同じことです。

湿り気のない枯れた土壌に植物は育ちません。

何年も手入れをしない土壌には、植物をいきいきと育てるだけの栄養分が不足しています。

髪が作られるメカニズムは植物のそれとは少し違いますが、よい土壌がなければ育たないということでは、髪も植物もまったく同じなのです。

角質層はその土壌を外部の敵から守る大切な役割を持っているのです。

私たちのまりはそうした機能を破壊する条件や物質が、考えている以上にたくさんあります。

健康な頭皮を維持する角質層のバリアとしての働きは、ますます重要になってきています。

抜け毛、薄毛対策には、目に見える髪の毛の状態ばかりでなく、頭皮の状態も同じレベルで考えることが急務と言えるでしょう。

 

フケが脱毛の原因になるってほんと?

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角質層は、いずれは剥がれ落ちる運命をたどります。

皮膚はたえず新陳代謝をくり返しているわけですから、これは当然です。

体の皮膚から離れていくものが「アカ」と呼ばれ、頭皮から離れていくものをフケと呼んでいます。

フケは皮膚の表皮層にある皮脂腺というところから出てくる脂肪がまざりあって形成されています。

フケは新陳代謝の産物ですから、程度の差こそあれ、誰にでもある生理的な現象です。

本人は案外気づかないものですが、襟口、肩口に白いものが目立つのは、新陳代謝が活発になる春や秋に多くなり、若い人ほどフケの量は多いのが自然です。

フケはアカと同じで一種の老廃物ですから、理屈からいえば、入浴して体を洗 うように、シャンプーをすればきれいに洗い流せると考えられがちです。

しかし実際はそう簡単ではありません。

髪の毛の1本1本は皮膚が陥没してできた毛孔の穴いっぱいをふさいでいるため、その部分の古い角質層が剥がれにくくなっているからです。

毛穴に残留したフケは、ただシャンプーしただけではなかなか落ちません。

そんなときはシャンプー前にブラッシングをし、フケを浮き立たせておいてから髪の汚れと一緒に洗い流すようにします

たいていは、こうしたこまめな手入れをして清潔にしておけば、フケはそう増えることはありません。

しかし、多くの人はこんな不安を抱いているようです。

「私は比較的フケの多いほうなんですが、フケが脱毛の原因なるってほんとうですか」

フケと脱毛の関係は、正しくは「フケは脱毛の原因になることはないが、フケ症になる原因は、脱毛の要因になる」ということになります。

つまり、よほどたくさんのフケが頭皮にこびりついて毛孔をふさいだり、細菌が繁殖して頭皮にダメージを与えたりしなければ、フケそのものは脱毛の原因になることはありません。

ただし、フケには新陳代謝による自然の生理現象で出てくるもののほか、体になんらかの変調が起こっていることが原因で増えてくる場合があります。

こうした状態が引き金なってフケが増えてくるときは、体力そのものが消耗していて、脱毛が起こりやすい状態にあります。

こうした点では、フケは脱毛の危険を孕んでいると言えるでしょう。

脱毛の危険信号になる要因には、胃腸障害、動物性のたんぱく質の摂りすぎ、ホルモンの異常、ストレスなどによる交感神経の緊張などが上げられます。

こうした影響を受けた頭皮は、正常に、健康な髪を生やす条件を失ってしまいます。

ストレスを受けると交感神経が緊張し、皮脂腺の働きが活発になり、頭皮から分泌される皮脂の量が増えてきます。

分泌された皮脂はアルカリ性ですから、頭皮を細菌が繁殖しやすい不潔な状態にしてしまいます。

また、動物性タンパク質を摂りすぎるなど、食生活のアンバランスが習慣になってしまうと、胃腸障害を起こしたり、スムーズに栄養が頭皮に行き渡らない状態が起こります。

正常な新陳代謝は活発性を失い、皮脂の分泌物ばかりが増えてしまいます。

このときの頭皮の状態は、かゆみの絶好調にあります。

言ってみれば、炎症を起こしている状態。

無意識に頭を掻き、さらに炎症を悪化させてしまいます。

分泌物の多い頭皮は不純物などで細菌が繁殖していますから、掻きすぎて頭皮を傷めてしまうと、細菌が頭皮に入り化膿してしまいます。

毛根を傷つけてしまうようなことが起こってしまえば、もうその部分からは髪の毛は生えてこなくなってしまうのです。

頭皮に浮き出る過度のフケは、脱毛への危険信号です。

こまめにシャンプーするなど、常に清潔にしてフケをためない努力からはじめてください。

まずはそれが脱毛予防のファーストステップです。

この記事を書いた人
狭山清美

毛髪診断士、管理栄養士、フードコーディネーター
1984年生まれ。さいたま市出身。2児の母。
大妻女子大学管理栄養士専攻コースを卒業後、管理栄養士資格を取得。
健康食といわれる和食の利点を活かしつつ毛髪効果のある「和料理」を提唱する。趣味はマンガ(ワンピース)。

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