[最悪を防ぐ]育毛剤、シャンプー/リンス、パーマは本当に必要か?

抜け毛と薄毛の対策

育毛剤は逆効果・・・

脱毛や薄毛は、結果としては同じでも、それに至る過程や原因は人によってさまざまです。

まったく違うといってもいいかもしれません。

食事の摂り方、生活環境、心のあり方、髪の手入れ法、頭皮の状態、どれ一つをとっても同じ環境で過ごしている人はいないはずです。

にもかかわらず、結果として脱毛が起こり、薄毛で悩む人がいるということは、極めて個人的なレベルでそれらの原因なり、それに至る過程を見直していかなければならないということです。

脱毛治療の根本はそこにあります。

しかし、実際はどうでしょう。

脱毛といえば即、育毛剤。

ふりかければ明日にでも生えてくるような錯覚を起こしてしまいそうな宣伝があとを絶ちません。

現実には、振りかければ毛が生えてくるといった育毛剤信仰は、いまはも うそれほど強くはないのかもしれません。

「気休めだとは思うけれど……」

薬局やスーパーに並ぶ育毛剤に、思わず手が伸びてしまう。

育毛剤の効果に疑問を持ちながら、それでもなお菓にもすがりたいと思う気持ちは、痛いほどわかります。

特に女性にとって、心に受ける痛手は想像をはるかに超えるものだと思います。

だからこそ、たとえ気休めでも、育毛剤を安易に使ってはいけないのです。

育毛剤を使うことによって、かえって薄毛が助長されているとしたら….、

効果を生むはずのものが逆に悩みをより深刻にしてしまっているとしたら……、

これほど悲劇的なことはありません。

育毛・養毛剤の成分は、そのほとんどがアルコール系の血管拡張剤です。

あとは殺菌剤、香料、ほんの少しの栄養素が入っているだけのもの。

血管を拡張すると聞けば、血流の流れが促進されて、滞っていた毛髪の部分に栄養分が届いて発毛する。

そんなイメージを抱くことでしょう。

マッサージが加われば、さらに効果は倍増するに違いない、とも思えてきます。

しかし、これまでに市販の育毛剤を使って、ふさふさとした黒髪を取り戻したという人は、あまり存在しないのではないでしょうか

もちろんなかには、血管が一時的に拡張されてわずかに「発毛を実感」したかに思えた方もいらっしゃるでしょう。

しかしそれも、1ヵ月、2ヶ月、3ヶ月するうち発毛の実感は薄らぎ、絶望へと変わり、そしていつしかその育毛剤を使うこともなくなってしまっているというのが現実ではないでしょうか。

脱毛に至る原因も、過程も、極めて個人的なものです

育毛剤はそれを十把一からげにして扱ったもので、どの個人にも効果があるものではありません。

それどころか、育毛剤に含まれている頭皮に吸収されない異物が毛穴につまり、結果的に、効果があるどころか逆に薄毛を引き起こしてしまっていることもあり得るのです。

水道管にたとえれば、いくら蛇口を全開にして水を流そうとしても、出口に「何か」が詰まっていれば、蛇口から水は流れてこない状態と言えます。

育毛剤の主成分であるアルコール系の血管拡張剤は、言ってみればその蛇口の部分に当たります。

蛇ロを全開にするもの、ということなのでしょう。

ところが、出口に詰まる何か。

異物も育毛剤には同時に含まれているのです。

つまり、発毛の条件である頭皮の状態は

 

→血液がスムーズに流れて栄養分が運ばれ、細胞が活性化する→髪を増やすはずの育毛剤がふたをしているようなものなのです。

 

女性は毎朝お化粧をしたら、たいてい夜にはコールドクリーム・洗顔フォームなどできれいに落としてから寝ますよね。

それでもきれいに落とし切れていなければ肌荒れの原因になってしまいます。

お化粧の粒子が毛穴に詰まったままになっているから肌荒れが起きるのです。

安易に市販の育毛剤を使うことは、頭皮がそれと同じ状態にあるということなのです。

頭皮にすり込んだまま洗髪しなければ、状態はもっとひどくなってしまいます。

育毛・養毛剤は安易に使ってはいけません。

やたらにふりかけても効果はない。

気休めに手を伸ばした育毛剤がかえって逆効果を生むこともある。

そのことをまず十分に知っていただきたいと思います。

コマーシャルに惑わされてはいませんか?

テレビに映し出されるコマーシャルは、まさにいろんな種類、業種の商品が流れています。

そのなかでもシャンプー・リンスのコマーシャルの数は、他のものに比べるとかなり多いように思えます。

画面には長い髪の女性が、次から次へとさらりと風になびかせたきれいな髪を披露しています。

現在市販されているシャンプー・リンスの は、いったいどのくらいあるのでしょうか。

薬局やスーパー、デパートの棚には、所狭しといろんな種類のシャンプー・リンスが並べられています。

どれを選ぼうか、迷っているとき頭に浮かぶのは、テレビに映るコマーシャルではありませんか。

「あんなきれいな髪になるんだよね、このシャンプー」

商品を選ぶときにはきっとそんな心理が働くことでしょう。

「私はやっぱり、香りで選ぶわ」

そういう方もいらっしゃるでしょう。

新製品だから、あるいは外国製品だからという理由で選ぶ方もいるに違いありません。

どういった理由にせよ、テレビ・雑誌などから得た情報は、シャンプー・リンスを選ぶときの重要なファクターになっているはです。

しかし、シャンプー・リンスを選ぶときの最大の条件になるのは、香りがいいからでも、新製品だからでもありません。

コマーシャルに惑わされず、まず第一に考えなければいけないのは、自分の髪質にあっているかどうかです。

ところが自分にあったシャンプーを選ぶのはそうたやすいことではありません。

髪質や頭皮には乾性と脂性がありますし、そのレベルは個人個人で微妙に違っています。

また、個人の職業によっては、髪の汚れ方にもかなりの違いがあるからです。

仮に自分の髪質、頭皮の状態がどのタイプに属しているかがわかったとしましょう。

ところが、いざシャンプー・リンスを選ぶとなると、また次の問題にぶつかってしまいます。

乾性の髪質にあったものなのか、脂性の頭皮に適したものなのか、市販のシャンプー・リンスの表示には、その手がかりがほとんどないのが実情なのです。

普通の髪に、痛みやすい髪に、あるいは、ストレートヘア、ダメージヘア・など、せいぜいこの程度の表示しかありません。

多少の判断材料にはなりますが、自分の髪質にあったものを見極めるとなると、やはり情報は少なすぎます。

髪質にあわないシャンプーを使い続けると、いったいどうなるでしょうか。

通常、頭皮は弱酸性の皮脂膜でカバーされています。

乾性タイプの人はこの皮脂膜がもともと薄いと言えます。

たとえばこのタイブの人が脱脂力の強いシャンプーを使い続けるとしましょう。

皮脂膜は必要以上に洗い流されてしまい、頭皮や髪は脱脂状態を余儀なくされてしまいます。

結果は、髪はパサつき、湿疹ができたり、フケが多く出るようになってしまうのです。

自分にあったシャンプー・リンスを選ぶのは、みなさんが考えている以上にたいへんなことであり、重要なことなのです。

コマーシャルにつられて何となく、手にするのではなく、また、香りがいいからといって安易に使うのではなく、自分の髪にあったものを追求する姿勢はぜひもっていただきたいと思います。

洗髪は毎日のことです。

急激に脱毛という結果が現れるものではありません。

しかし、合わないシャンプーを使うことによって、長い年月をかけて髪は確実に痛んでいくのです。

商品 (シャンプー) の点検

現在市販されているシャンプーのなかでどれがいいかと聞かれたら、残念ながら、自信を持っておすすめできるものは見当たらない、と言わなければなりません。

なぜなら、そもそもシャンプーは、汚れをきれいに洗い流すことを目的に作られたものであって、あくまでも健全な頭皮、健康な髪を前提しているからです

髪に気を使い始めるようになってきた人にとって、通常のシャンプーはけっして優しくはないのです。

ここで一般のシャンプーはどんな成分から出来ているのか、点検してみましょう。

一般のシャンプーの成分は、そのほとんどが水と、化学的に合成された界面活性剤と、人工的に合成された香科で構成されています。

界面活性剤は汚れを落とすために合成されたもので、言ってみれば洗剤のようなもの。

台所用の洗剤、住宅用の洗剤のなかにはこの界面活性剤が必ず使われています。

考えてみれば、汚れを落とすことを目的としているとはいえ、洗剤と同じ成分で髪を洗っているわけですから、脱脂力が非常に気になります。

髪や頭皮は、通常弱酸性の皮脂膜で覆われていますが、皮髪にとってたいへん重要なもので、これが失われてしまうと空気中の細菌は容赦無く髪や地肌を痛めにやってきます。

界面活性剤はこの皮脂膜をいやおうなく洗い流してしまいます。

もちろんキューティクルの剥離も免れません。

界面活性剤は髪にとってこれほど怖いものです。

ただし、すべての界面活性剤が悪いわけではありません。

ダメージを与えるのは、石油から合成された界面活性剤です。

天然のヤシ油や椿油、大豆からとった天然の界面活性剤なら大丈夫。

シャンプーを選ぶときには、「界面活性剤」の質を目安の一つに加えることをぜひおすすめします。

シャンプーを選ぶときには、香りにも注意を払っていただきたい。

香りの強すぎるシャンプーは感心しません。

なぜなら、強い香り、よい香りは、そのほとんどが化学的に合成されたことを示しているからです。

これは食品の合成着色料と同じようなものと言えます。

コマーシャルでは、自然の香り……。

という表現をしていますが、これはあくまでも自然に近い香りに合成した、ということなのです。

つまり、強い香りであればあるほど、化学合成度は高まり、髪に悪影響を及ぼしているということなのです。

ただし、香りには沈静、興奮、清涼感など、人間の神経にさまざまな作用をもたらす効果があります。

この作用までを否定することはありません。

最近では微香料、無香料のシャンプーも多くなってきたようですから、できるだけ強い香りのものはさけ、こうした種類のシャンプーを選んだほうが、髪にとっては優しいはずです。

また、シャンプーとリンス効果が一緒になったシャンプーが販売されていますが、これはあまり感心しません。

ポリマーやシリコンが入っていると思われます。

この成分は手の皮膚感覚をごまかすのにたいへん効果的です。

この種のシャンプーを使った方ならおわかりだと思いますが、洗い流した後、髪がなんとなく柔らかくなった感じがしませんか。

十分に流した後にもその感覚が残っているでしょう。

それがシリコンやポリマーの効果(?)なのです。

使い続けていると、ベタッとした感じがしたり、逆にパサパサ、カサカサ感が増してくるはずです。

考えてみれば、もともとシャンプーは汚れを洗い流すために開発されたものです。

シャンプーがない時代には石けんで髪を洗っていたのですから、髪だけを専用に洗うシャンプーは、その当時画期的なことだったに違いありません。

しかし、石油から合成された界面活性剤は髪を痛めはじめました。

そこで登場してきたのがリンスです。

言ってみれば、質の悪いシャンプーをごまかすためにリンスが出来上がったのです。

こうして開発されたシャンプー・リンスは、ダメージヘアや脱毛、育毛を考えて作られているとは、とても言い難いものです。

試しに石油から合成された界面活性剤で作られ、香料の強いシャンプーで体を洗ってみてください。

体にかゆみを覚えるはずです。暖房の入った部屋にいれば肌も乾燥していますから、かゆみは強いに違いありません。

なぜか。

それだけ脱脂作用が強いということなのです。

ダメージヘアや育毛のことを考えたシャンプー・リンスを選びたいものです。

毛髪製品に含まれるアルコールの恐怖

女性が使うことはあまりありませんが、ヘアトニックが一時男性の間で常識のように使われていたことがありました。

スッとした感じがもやもやした頭にさっぱりと効く。

つけてもつけなくても、ただそれだけの、言ってみれば毛髪化粧品ですが、以前はかなりの人たちの間で使われていました。

スッとして気持ちがいいそのもとは、アルコールです。

殺菌力があり、アルコールが蒸発するとき気化熱を肌から奪いますから、何となくすっきりした感じがあるのでしょう。

あとの成分は香料と水です。

ところが、このアルコールが髪にとっては、とてもやっかい。

髪の毛は毛表皮、毛皮質、毛髄質の3層から成り立っています。

一番外側の層が毛表皮で、髪の毛のつやを保ち、内側にある2層を守る、言わばガードマンのような役割を果たしています。

よく耳にすると思いますが、キューティクルと呼ばれるものがそれです。

毛皮質は真ん中にある層で、人間にたとえれば肉質にあたるところ。

この部分はケラチンと呼ばれ、たんぱく質と繊維質で構成されています。

アルコールは、ガードマンであるキューティクルをノックダウンして、さらに内部まで浸透して、このケラチンのたんぱく質を分解してしまうのです。

アルコールの害が顕著なのはヘアトニックだけではありません。

女性がよく使うへアスプレーもその一つ。

毎朝鏡の前で前髪を立ち上げるために使うあのスプレーが、実は脱毛に向かうファーストステップになっているのです。

根元にこれでもかと吹きつけてドライヤーをかける。

髪に熱がよくないことは読者の方もすでにご存じとは思いますが、これではアルコールと熱のダブルパンチです。

外巻カールもそうです。

たっぷりスプレーをかけて形を整えるわけですから、アルコールは毛皮質のケラチンにしっかり染みこんでしまいます。

ブラシをあてるたびに、もろくなった髪は切れ毛を起こしてしまうのです。

女性にとっては遅もファッションの一部です。

いろんな髪型を楽しみたい。

そう考えるのは当然ですし、その楽しみを否定する気持ちはありません。

しかし、ヘアファッションにこだわっていろいろな毛髪製品を使えば使うほど、髪へのダメージは大きくなっていきます。

そのことだけは十分に知っておいてただきたいのです。

 

パーマの恐怖

パーマ技術も進歩し、熱を加えてウエーブをかける技術から、薬品を使ったものへと変わりました。

しかし、それは果たして進歩だったのでしょうか。

脱毛、ダメージヘアに悩む女性が増えてきている現代は、その答えが明かにN,であることを示しているように思えます。

一般的なパーマは、ご存じのように、2種類の薬品を使ってウエーブをつけます。

チオグリコール酸アンモニウムを主成分としたアルカリ還元剤が第一液、臭素酸カリウムという酸化剤の第二液がそれです。

これがいわゆるコールドパーマと呼ばれるものですが、髪の毛やそれを生やす使命をもった頭皮にとって、良いものとは言えません。

使用法を誤ると、直接人体に影響を及ぼすほどの強い作用をもった薬品だからです。

通常、第一液のアルカリ還元剤には、このくらいの時間なら浸しておいても大丈夫だという規定があります。

しかしこれはあくまでも規定であって、どの髪質の人にも同じように通用するものではありません。
髪質や、くせは個人によってかなりの差があります。

パーマのかかりやすい人、かかりにくい人、これらを無視するようなことがあっては、当然よいはずがありません。

それでなくても5分以上アルカリ還元液に浸された髪は、すり切れたロープのようにボロボロの状態になり、手痛いダメージを受けてしまうのです。

こうしたダメージにさらに拍車をかけているのが、粗悪なシャンプー・リンス製品です。

脱脂作用の強い一般のシャンプーで常に痛めつけられた髪の毛や頭皮は、言ってみれば常時油分不足の状態にあります。

そこに強い薬品でパーマをかける。

結果はどうでしょう。痛んだ髪、頭皮に薬品が染みこみ、それこそ髪の毛も頭皮も溶け出してしまうほどの被害を受けることになるのです。

「パーマをかければ髪が傷むのは当然だと思っているんだけれど……」

こうした常識(?)が、当然のように受け入れられていることにも問題はあると言わなければなりません。

ファッションの一部としてヘアスタイルを考えれば、女性にとってパーマをかけることは、個性の表現としても重要な意味を持つでしょう。

しかし、枝毛や断毛、引いては脱毛に至る危険を回避するには、健康な髪のうちから予防するという姿勢がとても大切なことなのです。

最近では酸性パーマ液、O2パーマ液、システインパーマ液などいろいろと開発されているようですが、肌の弱い人、髪が痛んでいる人、ヘアカラーをしている人は、コールドパーマのチオグルコール酸アンモニウムを主成分としたパーマは避けたほうが賢明です。

また、美容師の「腕」にも注意を払いたいもの。

できれば自分の髪質をよく知ってくれている美容院を選ぶ、言ってみれば髪の主治医をもつことです。

そして、毎日のシャンプー・リンスの選ぶ方にも賢い目を働かせていただきたいものです。

この記事を書いた人
佐々木遥

毛髪診断士、管理栄養士、フードコーディネーター
1984年生まれ。さいたま市出身。2児の母。
大妻女子大学管理栄養士専攻コースを卒業後、管理栄養士資格を取得。
健康食といわれる和食の利点を活かしつつ毛髪効果のある「和料理」を提唱する。趣味はマンガ(ワンピース)。

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